中国のリテール証券ビジネス:黎明期
2010/05/13
フア・ジャン
Abstract
中国の証券業界では、リテール取引が主な収入源となっています。2009年には、個人投資家による株式の売買高は市場全体の40%、ほかの商品も含めた売買高は80%を占めました。規制緩和に伴って信用取引やオンライン証券といった新たなビジネスが可能になり、さらなる成長が見込まれます。
セレントの最新レポート「中国のリテール証券ビジネス:黎明期」は、中国の個人投資家の特徴とリテール証券ビジネスのトレンドについて論じています。特に、新商品のインパクト、従来型チャネルとオンラインチャネル、規制緩和などに焦点を当てました。
中国のリテール証券市場の成長を牽引する要因として、投資家の増加、上場企業の質の向上、規制緩和に伴い新商品・新サービスの提供が可能になったこと、などが挙げられます。証券会社の支店数に対する制限が緩和されれば、証券会社の支店網は大幅に拡大するとみられます。オンライン証券をめぐる規制の枠組みが確立したことで、オンライン証券ブームの到来が予想されます。
出典:セレント
「中国証券監督管理委員会(CSRC)は、今後1〜2年のうちに株式指数先物、直接株式投資、信用取引など幅広い新商品を承認するとみられます。株式指数先物と信用取引だけで、証券業界に85億ドルの収益が見込まれます。また、金融緩和の対象となった新商品においては、個人投資家が主なセグメントとなる可能性が高いでしょう」とセレントアジア金融サービスグループのアナリストでレポートを執筆したフア・ジャンは述べています。
このレポートは20図を含む32ページで構成されています。