一角獣の押し売り: 保険会社向けソフトウェアベンダーが陥りやすい10の間違いとその回避方法
Abstract
コミュニケーション不足やお粗末な販売慣行は、無駄な労働時間の発生や売上減につながり、保険会社やソフトウェアベンダーに、年間何百万ドルもの損失をもたらすことがあります。
セレントの調査によると、保険会社向けソフトウェアの売上高は拡大し続けており、ソフトウェアベンダーのパッケージ製品やコンポーネントの活用は戦略上不可欠であるというのが、保険会社の最高情報責任者(CIO)の一般的な認識です。しかし一方で、映画『暴力脱獄(Cool Hand Luke)』でポール・ニューマン扮するキャプテンが言ったように、「コミュニケーションに失敗した」ケースが数多くあることも、セレントの経験や調査から分かっています。これについては、2005年3月発行のレポート「保険会社向けIT販売プラクティスの問題点と解決方法」に詳述されており、同レポートには、保険会社のシステム購入担当者に、システムの購買・導入検討過程でソフトウェアベンダーに伝えたニーズと実際に提供されたシステムとのギャップを調査した結果も掲載されています。
セレントの最新レポート「一角獣の押し売り: 保険会社向けソフトウェアベンダーが陥りやすい10の間違いとその回避方法」では、セレントの顧客である保険会社の経験に加え、セレントのアナリストが保険会社と協力、あるいは保険会社の依頼を受けて行ったベンダーの選択・評価プロセスでの経験から得た一連の重要な原則を説明しています。
「重要課題を10項目の最も典型的な間違いとしてまとめることで、ベンダーがこれらの間違いに陥ることがなくなり、その結果、保険会社のIT部門は、ベンダーの選択・評価・決定のプロセスを効率化できるとセレントは考えています。」と、セレントの保険プラクティスのマネージング・ディレクターであるマシュー・ジョセフォウィッツとシニアアナリストのチャド・ハーシュは述べています。
レポートで指摘した最も典型的な10の間違いは、以下の通りです。
1. 顧客が馬を買いたいときに一角獣を売ること。つまり、一般的なニーズに対応するソリューションとして商品を提供せずに、市場の混乱を招く独善的な製品分類にこだわる。
2. マーケティング方法や、市場への正確なアピールの重要性を理解していないこと。
3. 無意味なブランド設定によって市場を混乱させること。
4. トップを不快にさせ、部下を無視すること。CIOは、ベンダーソリューションの最初の選別を他の社員に命じる。同社員を避けようとするベンダーは、トップと社員の両方から信頼を失う。
5. ミーティングに出席する担当者の人選を誤ること。業界の状況や顧客企業が抱える課題を理解しておらず、または最悪の例として、売り込む製品を完全に把握していないセールス担当者は、大きなマイナス要因である。
6. デモの際、業務部門のユーザー・ニーズを無視すること。業務部門のユーザーは、ソリューションの使い方を理解しておく必要がある。
7. 質問に(速やかに)回答しないこと。保険会社のシステム購入担当者の行動が迅速でないからといって、同じことがベンダー側に許されるわけではない。
8. 価格モデルにとらわれること。柔軟性の欠如は売上を犠牲にする。
9. 無料または実費で提供する試験運用や機能検証がないこと。顧客は、試用した上で購入を決めたいものである。
10. 製品を最初に導入する顧客のコストの一部(または全部)を負担しないこと。新規ベンダーにとって、最初の顧客と真のパートナーシップを築くことは非常に重要であり、顧客開拓の際は、まずこのような特別なパートナーを見つけることに注力すべきである。
セレントでは、本レポートや保険会社向けソフトウェア販売に関するその他の調査結果に関するトレーニングセミナーを4月13日(金)にニューヨークで開催します。セミナーでは、ジョセフォウィッツとハーシュが講師を務め、セレントによる調査・分析結果や考察の発表のほか、全米トップ20に入る保険会社で最近までCIOを努めていたゲスト2名による聴衆参加型のパネルディスカッションを行います。
詳細は松川ematsukawa@celent.com までお問い合わせ下さい。