津波その後:金融危機後のアジアの保険市場
Abstract
アジアでは、金融危機のあおりを受けた外資系保険会社に代わって、地元の保険会社が躍進しています。外資系保険会社がアジアの幅広い国や地域で市場シェアを落とすなか、地元の保険会社はシェアを伸ばしています。
セレントの最新レポート「津波その後:金融危機後のアジアの保険市場」は、金融危機がアジアの保険市場に与えた影響について解説しています。アジアでは、金融危機を受けて保険会社の間でM&Aが加速し、業界の勢力図が塗り替えられました。ただ、国によって状況は異なっており、中国では、外資系保険会社の多くがビジネスの一部を売却し、事業の統合を進めることで競争力向上を図っています。一方、台湾では、グローバル企業が地元での事業を全て売却し、市場から徹底する動きがみられます。
出典:セレント
「金融危機の影響を受け、グローバルな保険会社はアジア事業で市場シェアを減らし、海外事業全体でも保険料収入が減少に転じました。ただ、これらの会社は勢いこそ失ったものの、弱気になったわけではありません。大部分の外資系保険会社は、アジアにおける拡大機会に期待しており、この地域を重視する姿勢を変えていません」とセレントのシニアアナリストでレポートを執筆したウェンリ・ユアン は述べています。
レポートでは、アジアで事業展開する地元および外資系の保険会社を比較・分析しています。外資系生命保険会社の市場シェアは国により差がありますが、これは規制水準の違いによるところが大きいといえるでしょう。また、アジアでは国によって保険市場の発展状況も大きく異なっています。台湾、香港、韓国、日本およびシンガポールでは保険市場が成熟し、保険の普及率も高くなっています。一方、中国やインドなどの発展途上国はいまだ発展段階にあり、大きく拡大する余地があります。
このレポートは16図と7表を含む44ページで構成されています。