黎明期のインドのリバース・モーゲージ市場
Abstract
インドの高齢者人口は急増しており、2015年には1億1,700万人に達すると予想されています。これは、リバース・モーゲージ市場に大きなビジネスチャンスをもたらすとみられます。急増する需要に対応するためには、この商品にまつわる環境を整備することが必要になるでしょう。
インドでは出生率の低下、医療の向上、栄養状態の改善などを背景に高齢者人口が急増しており、現在の8,700万人から2015年には1億1,700万人に増加する見通しです。こうした人口の増加にもかかわらず、この年齢層を対象とする政策がほとんど打ち出されていない状況が続いています。
インド政府はこうした状況を変えるための新しい戦略をとり始めており、ここにきて高齢者をターゲットとする金融商品を導入しています。その1つはリバース・モーゲージ・ローン(RML)で、財務相が発表した2007~2008年の年間予算に盛り込まれています。
セレントの最新レポート「黎明期のインドのリバース・モーゲージ市場」は、同市場のビジネスチャンスと課題について貸し手の立場から検証しています。RML関連商品の直接のターゲット市場はインドの都市部と郊外を合わせて約600世帯に上るとみられ、これらの世帯のホームエクイティローン残高は2015年には計1億1,300万米ドル(約121億2000万円)に達する見通しです。
しかし、インドという環境下で、この商品が貸し手にとって、現実的で存続可能なビジネスとなるような環境を構築する必要があります。それには、規制当局と貸し手の間の大きな溝を埋める必要があるでしょう」とセレント・銀行プラクティスのアナリストでレポートを執筆したラビ・ナワルは述べています。
本レポートではRML商品を検証するとともに、こうした商品がインド市場で実現可能か否かを貸し手の立場から論じています。また、商品の需給の問題も取り上げています。
本レポートは5表と9図を含む30ページで構成されています。
注)米ドルから日本円への換算レートは、2008年2月29日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。