バイサイド向けAI(人工知能):取引バリューチェーンのためのベンダーソリューション
2016/06/15
ジョセフィン・ドゥ・シャズルネ
Abstract
いまだ人工知能(AI)を導入していないバイサイドの金融機関は、今後2~5年に競合相手から大きく後れを取る可能性があります。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | バイサイドの金融機関はなぜAIを利用すべきなのか? |
2 |
どの分野でAIを利用すべきか? |
3 | AIソリューションおよびシステムはバイサイドの金融機関にどのような機能を提供するか? |
ビッグデータやそれらをビジネスの最適化や革新に利用するためのテクノロジーは、バイサイドの金融機関が「明日の世界」に後れを取らないようにするためのツールとなります。具体的には、従来の金融機関とはタイプの異なる新たな競合相手から置いて行かれないようにするためのものです。
下図は、バイサイドの金融機関がAIソリューションの驚異的なテクノロジーを用い、取引サイクルのどの過程でこれらのデータを活用すればサイクル全体を変革することができるかを示したものです。
本レポートでは、総合ITベンダーや金融特化型のベンダーが市場に投入している複数のAIソリューションを取り上げています。これらは規制および評判上の課題の解決や業務プロセスの最適化だけでなく、収益拡大を可能にするものです。
「これまではセルサイドがバイサイドに取引自動化の戦略やリサーチを提供してきたことを踏まえると、今度は逆にバイサイドがそうしたテクノロジーを提供す る立場をいかに確立していくのか興味深いところです。取引所もこの分野に参入する意向があり、投資の余裕がなくビッグデータを活用するチャンスに恵まれな いバイサイドの金融機関に対して、セルサイドを通さずにこうしたテクノロジーを提供する動きを強めていくとみられるため、今後の行方がさらに注目されま す」とセレント証券プラクティスのシニアアナリストでレポートを執筆したジョセフィン・ドゥ・シャズルネは述べています。