複雑化する執行管理システム
Abstract
取引の執行管理システムをめぐり、ここ数年で業界には急速な変化がみられました。競争激化とコスト増が原因とみられるプレーヤーの撤退が相次ぐ一方、ベンダーがアルゴリズム取引、取引コストの分析、コンプライアンスといった機能を追加するのに伴ってイノベーションやパフォーマンスの改善も進んでいます。
セレントの最新レポート「複雑化する執行管理システム」は執行管理システム(EMS)市場の最新動向に注目し、世界の主要ベンダーの製品について分析しています。ベンダーにとって市場の競争は激しさを増すばかりですが、取引を執行する金融機関にとっても状況は一段と厳しくなっています。市況の変動が激しく、規制強化が進むなか、バイサイドの金融機関はより高性能なEMSを求めています。さらに、ブローカーの中立性がより重視されるようになり、各金融機関は採用するEMSの数を絞り込むようになっています。
バイサイドの金融機関がEMSを選定する際に決め手となる要因は、ポートフォリオの会計・管理システム、注文管理システムのほか、バックオフィスの他の清算・決済システムとの統合および接続が可能であるという点です。
「EMSはグローバルかつマルチアセットに対応できる特性を備えるようになっています。機能拡充を求めるバイサイドの圧力が強まるにつれ、コモディティ化がさらに進んでいます。一方、規制強化に伴ってEMSのコンプライアンス義務もさらに拡大しています」とシニアアナリストでレポートを執筆したアンシュマン・ジャスワルは述べています。
本レポートは、世界の主要EMSベンダーの製品を取り上げています。レポートの概要では業界の最新動向を示し、市場プレーヤーが変化にどのように対応しているかを明らかにしています。また、主要EMSの特性の一部を比較し、各製品の主な特徴を挙げてその内容を紹介しています。