デジタルウォレット:オンライン/オフライン決済の統合
2012/11/26
Abstract
リテール業界ではオンライン決済とオフライン決済の統合が進みつつありますが、両者の間にはなお違いがあるため、今日のデジタルウォレットでは両方に対応することが難しいのが現状です。安全なエレメントをベースにしたオンライン決済用の認証情報と店頭のPOS決済用のクラウドベースの認証情報を同時に使うことは難しい課題であり、これら2つを結ぶソリューションも多数開発されていますが、いまだ解決に至っていません。
セレントの最新レポート「デジタルウォレット:オン/オフライン決済の統合」は、米国および英国市場を中心に現在入手可能なデジタルウォレットを取り上げ、デジタルウォレットの分析手法を解説し、こうした手法を導入することで、銀行はデジタルウォレットが自行の収益および顧客と加盟店の関係に及ぼす影響、データの可用性、リスク管理、その他の主要課題についての理解を深められると説明しています。
レポートでは、主に次のような疑問について考察しています。
- 現在市場では様々なデジタルウォレットが普及しているが、各ソリューションの相違は主にどのような点にあるか。各プレーヤーのソリューション、その経済性、そのインパクトはどのようなものか。
- 市場で成功するために重視すべき点について、業界内でコンセンサスが形成されているか。市場に影響を及ぼす可能性のある不確定要素は何か。業界全体が解決すべき課題は何か。
- こうした市場の動きに対して、金融機関はどのように対応すべきか。
「銀行が自行ブランドの独立したウォレットを市場に投入する際は、十分な検討を重ねた上で実施すべきでしょう。一部の銀行にとってはメリットがあるかもしれませんが、多くの場合は、決済で利用可能な認証情報の作成と既に市場で普及している「最高レベル」のウォレットのサービスに焦点を絞り、その上で決済などの付加価値サービスを盛り込んだモバイルバンキングプラットフォームの強化・拡張に取り組む方が得策でしょう」と、セレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したジルビナ・バレイシスは述べています。
本レポートは37p、18図と1表で構成されています。