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電子インボイスサービスプロバイダーの概要

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2012/07/25

Abstract


銀行業界は、電子インボイス(e-invoicing)の将来性に以前から注目していました。電子インボイスの発行量はここ3年で倍増するなど着実に増えているにもかかわらず、その普及率は多くの国でなお10%に満たない水準にとどまっています。最新レポートでは、電子インボイスのもたらすビジネスチャンスを銀行はどうすれば最適に活用できるかを検証しています。

セレントは既刊の関連レポート「電子インボイスをめぐるビジネスチャンスと無関心に潜むリスク」で、これまで銀行業界で電子インボイスの普及が進まなかった理由を検証しました。その主な理由として、銀行は極めて短期間に投資回収可能なビジネスケースに主軸を置いてきたことが挙げられます。電子インボイスはそのようなビジネスケースではないかもしれませんが、導入によってほかに多くのメリットが得られることは確かでしょう。最新レポート「電子インボイスサービスプロバイダーの概要」では、銀行が現在直面している予算面の課題と、銀行にとって長期的なメリットとなり得る潜在的な価値およびコスト削減とのバランスをとるための選択肢を探っています。

電子インボイスの導入を検討してきた銀行の中には、買収という手段を選んだところもあります。しかし、いずれも成功に至らなかったというのが業界内の大方の見方です。今後も買収が続く可能性がありますが、セレントは、多くの銀行にとってそれが最良の戦略であるとは考えていません。最近注目を集めた案件は買収額が数十億ドルに膨らんでおり、市場の水準からみて結果的に割高である可能性が高いでしょう。

多くの銀行は、電子インボイスに必要なシステムを自社開発しようとしています。しかし、これも必ずしも最適なアプローチといえない可能性があります。

「電子インボイスを手がけるプロバイダーを5社挙げることのできる銀行は、数少ないでしょう。従って、現在この分野に700を超えるプロバイダーが参入しているという事実は驚きと捉えられるはずです。その多くは既に必要な機能を開発済みであることから、銀行がコストをかけてシステムを開発する必要はないでしょう。問題は、誰かが既に行った投資をいかに巧く活用するかという点にあります」と、セレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したガレス・ロッジは述べています。

レポートでは市場の現状を明らかにし、様々なアプローチを大きく分類し解説しています。各行が、顧客基盤、業界の集中度、地理的カバレッジといった要因に基づいて最適な提携相手を選ぶ際の指針となるよう、執筆しました。