ミレニアム世代向け金融サービスとWebチャネル
Abstract
1982~2000年に生まれたミレニアム世代の学生は、次世代のマス富裕層を代表するグループになるでしょう。金融機関がこの世代を取り込むためには、新たなマーケティング戦略が求められます。
ミレニアム世代はいまだ金融機関と長期的な関係を結んでいないため、このグループを巡る顧客獲得競争は重要性を増しています。学生セグメントを開拓することで、金融機関は財務サイクルの初期段階にある新規顧客を取り込むことができ、顧客ロイヤルティの確保にもつながります。ミレニアム世代は高度な金融サービスを求める傾向を強めるようになり、既存の金融機関に新たなサービスを期待するとみられます。そのため、金融機関にとってはこのグループを取り込むことが重要となります。
セレントの最新レポート「ミレニアム世代向け金融サービスとWebチャネル」では、この市場における保険会社、投資運用会社、銀行、カード会社などのビジネスチャンスについて考察しました。レポートの主な内容は以下の通りです。
ミレニアム世代の間では、ここ数年で金融商品やサービスに対する認識が高まっている。
ミレニアム世代は電子メール、インターネット、携帯電話などのリモートチャネルを重視する。
この世代では、依然として当座預金やデビットカードが最も普及している。
この世代は、他の世代に比べて少額の支払いにデビットカードを利用する比率が高い。
金融機関によるインターネットチャネルへの投資は大きな成果をもたらす可能性が高い。
「ミレニアム世代は生まれた時から既にインターネットが普及しており、固定電話に加入する必要がなかった初めての世代です。携帯電話を持ちインターネットを使う学生は、高いユビキタス性を確保しています。この世代は金融機関とのやりとりや情報収集においても、もっぱらモバイルやWebチャネルを好んで使うため、この世代の市場開拓を目指す銀行はそうしたチャネルにおける大規模投資を余儀なくされるでしょう。」とレポートの共同執筆者でシニアアナリストのダン・シャットは述べています。
「一方、ミレニアム世代が金融機関の情報を得る上で参考にしているのは、最も伝統的なチャネルの1つである彼らの親世代です。特に保険会社の選択に関しては、今なお親世代がミレニアム世代に与える影響力は大きい。学生を子に持つ顧客のデータベースを構築できれば、最も信頼できるチャネルを通じて若い顧客層を開拓するすることができるでしょう。」とレポートの共同執筆者であるアシュレー・M・エバンスは述べています。
本レポートは23図を含む36ページで構成されています。