2021/10/27
Abstract
ここ1年半にわたり、キャッシュマネジメントと決済を含むトランザクションバンキングは深刻な打撃を受けてきた。2020年には金利が急降下したのに伴って預金の正味受取利息が急減し、それ以前の3年間の増加分がほぼ帳消しとなった。こうした減収にもかかわらず、この分野の収入は安定し、長期的な顧客関係を維持しているほか、自己資本規制比率は低めに設定され、銀行にとって収益源となっており、魅力的なセグメントであり続けている。銀行が減収分を取り戻し、成長への軌道修正を目指すなか、テクノロジーはビジネス機会と課題の両方をもたらす要因となる。
2021年も不確実な要素が多く残るが、成長軌道に戻る動きが進むにつれ、2022年以降のコーポレートバンキング向けテクノロジーの優先課題も明確になりつつある。本レポートは、金融セクターの5つの重大テーマとそれに伴う12のトレンドについてセレントが顧客向けにまとめたガイダンスである。その中身は今年発行した既存レポートを参考にした部分もあるが、大部分は新しい内容で、2022年のセレントのリサーチテーマが反映されている。
今後、コーポレートバンキングにおいて、テクノロジーはビジネスチャンスであると同時に課題でもある。銀行は、多様なテクノロジー変革のツールキットを活用し、長年続いているコーポレートバンキングの技術競争において差別化を図り、顧客エンゲージメントを最適化する必要がある。
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