証券決済のパラダイムシフトへ:日本市場の現状と展望【日本語】
2017/06/28
本稿は、「証券決済革命」シリーズの第3弾で、2016年実施「国債決済期間短縮(T+1)対応及び決済システム関連ソリューションの動向調査」の結果に基づき、証券決済革命に挑む市場参加者、テクノロジーベンダー各社の戦略と取り組み、今後の方向性を考察します。
Key research questions
- 市場参加者の取り組みの現状は?
- ベンダー各社の取り組みの現状は?
- 証券業界に何を提言するか?
Abstract
セレントは、2018年からの「国債の決済期間短縮(T+1)」への対応状況を把握するため、日本の金融機関を対象に、オンラインサーベイは2016年8-10月に、前後して電話及び面談での個別インタビューも実施しました。また、国債決済関連ソリューションを提供するテクノロジーベンダー各社の取り組みに関して、RFI(Request For Information)を2016年7月から9月に実施しました。
レポートではまず、上記調査の結果から、市場参加者、ベンダーがこの大きな変化にどのように対応しているか、現状を明らかにした後、証券業界への提言を以下の3つの観点から述べ、証券決済革命によるパラダイムシフトへの道程を予測します。
- 新商品サービス開発
- グローバリゼーション
- ユーティリティーサービス
「制度改正とデジタル技術の普及は、金融サービスの需要サイド(投資家)に地殻変動を起こし、金融サービスの供給サイド(金融機関)に津波をもたらしまし た。また、そうした地殻変動に俊敏に対応するため、取引所や清算機関といった金融市場インフラとの関係の簡素化が要請されています。そのインパクトを正し く認識し、新たなビジネスモデルと、それを司るITソーシングの模索が必要です」と、アジア金融サービスグループのシニアアナリストでレポートを執筆した柳川英一郎は述べています。