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インドのモバイルバンキングは未開拓の成長市場

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2009/06/29

Abstract


インドにおけるモバイルバンキングはいまだ初期段階にあり、携帯電話の普及拡大が成長の原動力となっています。インドの携帯電話利用者は現在3億4,700万人で、そのうち7,300万人が農村部の居住者です。モバイルバンキングのアクティブユーザーは現時点で全体の0.2%にとどまっていますが、2012年には2%まで増えるとセレントは予測しています。

セレントの最新レポート「インドのモバイルバンキングは未開拓の成長市場」は、インドの都市部および農村部におけるモバイルバンキングの成長見通しを分析しています。現在、顧客は無料でモバイルバンキング・サービスに加入することが可能ですが、加入者は2,500万人にとどまっており、そのうちアクティブユーザーは10%の250万人にすぎません。 特に都市部でモバイルバンキングの普及が進まない主な理由として、ATMやオンラインバンキングなどその他のバンキングサービスの利用が可能であることが考えられます。また、インドの顧客はモバイルバンキングの安全性に懸念を抱いています」とセレントのアナリストでレポート執筆者のプラシマ・ラジャンは指摘しています。

一方若年層の間では、モバイル決済の利用が広がっています。銀行口座を保有する都市部の若年層はテクノロジーに精通しているため、インドのモバイルバンキング成長の牽引役になるとみられます。

出典:セレント

一方、インドの農村部は巨大市場ではあるものの参入障壁も大きく、この未開拓市場への進出を目指すサービスプロバイダーは長期的な戦略の策定が求められます。モバイルバンキングは市場に手っ取り早く参入するための最も安価な方法であり、多くの銀行が既にパイロットプロジェクトを立ち上げています。インドには60万近くの市町村が存在するため、国内全域に支店を展開するのはほとんど不可能といえるでしょう。

インドの農村部は非識字率が高く、サービスやテクノロジーへのアクセスが難しく、規制面の障壁が高いなど市場参入はやはり簡単ではありません。参入を目指す銀行は、農村部の地方銀行、マイクロファイナンスを実施する機関、地方の商店や郵便局、外販担当者や委託販売店といった既存のネットワークを生かすべきでしょう。また、最新のテクノロジーを利用することも不可欠です。

求められる商品、サービス、ネットワーク、テクノロジーなどが全く異なるインドの都市部と農村部という2つの市場について、それぞれにおけるビジネス機会とその限界を明らかにし、それを克服するための提言を行っています。さらに、インドに進出するサービスプロバイダーの戦略策定の参考となるよう、既にモバイルバンキングが普及している他の国々の事例を紹介しています。

本レポートは12図と2表を含む全42ページで構成されています。