コーポレート/ トランザクションバンキングにおけるESGの躍進:伝統的技術と新興技術の活用
2022/09/12
Abstract
一般的に、銀行と企業は自社の株主や顧客だけでなく、人や地球に対しても責任を負っているという考えが標準になりつつある。このため、両者は共にESGの取り組みで評価される企業を目指しており、その過程において、成熟したものから新興のものまで、さまざまなテクノロジーを活用している。
図:ESG関連商品・サービスの実現に向けてさまざまなテクノロジーが活用されている
顧客や一般の人々は徐々に、銀行が借り手、ESGのインパクト、およびESG目標を達成するための総合的な能力について、デューデリジェンスに取り組むことを期待するようになっており、銀行は徐々に、変化をもたらす積極的な仲介者の役割を担うようになっている。
- 一部のグローバル銀行は、気候に配慮した輸出入やプロジェクトの資金調達を支援することから始めている。
- ここ数年、持続可能なサプライチェーンファイナンスの分野に対する注目が高まっており、同分野での活動が増加している。
- 社会目標を促す動きは相対的に初期段階にある。
ESGに先駆的に取り組んでいる銀行は、持続可能なサプライチェーンに対する企業の関心は大幅に高まっており、各社は特にスコープ3排出量に関する風評リスクから自社を守りたいと考えていると報告している。同時に、特に米国において、顧客企業の間でESG要因によるパートナー銀行からの資金調達意欲が高まっている。
本レポートでは、銀行がコーポレート/ トランザクションバンキングの商品ポートフォリオを通じて、どのようにESGの取り組みを促し、支援しているのかについてセレントが検証する。ここで紹介しているESGプレーヤーは次の7社 (銀行5社とフィンテック企業2社) である。Citi、Citizens、DBS、OakNorth、Rabobank (Acorn)、Previse、Stellar