中国銀行業界のIT投資動向
2009/12/24
フア・ジャン
Abstract
中国の銀行業界は金融危機により多少の痛手を被ったものの、IT支出への影響は軽微なものにとどまりました。中国銀行業界のIT支出は2011年には113億米ドルに達すると予測されます。主なトレンドとしては、小規模な銀行の重要性が高まっています。
セレントの最新レポート「中国銀行業界のIT投資動向」では、IT支出の規模と各ティアのトレンドを分析しました。
国営の大手商業銀行は最も成熟したシステムを備えており、銀行業界におけるIT支出の大部分を占めています。これに続くのは、年成長率において国営商業銀行を上回る株式銀行です。都市部の商業銀行の大半は金融商品を軸にしたシステムを導入していますが、将来を見越して顧客中心のシステムに移行させつつある銀行も見受けられます。政策銀行と郵便貯蓄銀行は、他に比べて資産残高は大きいものの、利益率が低く、ITインフラストラクチャーの面でやや遅れています。農村部の銀行や信用組合も発展途上のシステムを使用していますが、現在進行中の銀行業界改革が進めば、やがては金融IT市場の重要な一角を占めるようになるでしょう。
「中国では銀行によってITの購入方法がまったく違います。同一銀行の中でも、プロジェクトごとに購入チャネルが異なることもあります。大型プロジェクトの場合、通常は銀行がインテグレーターを選び、それを通じて関連するソフトウェアやハードウェア、サービスを調達します」とセレント・アジアリサーチグループのアナリストで本レポートを執筆したフア・ジャンは述べています。
本レポートは7図と1表を含む26ページで構成されています。