米国年金市場のトレンドと テクノロジー上の主要課題
Abstract
セレントは、米国における年金商品の売上高は2011年には3,900億ドル(約46兆7,000億円)に拡大すると予測しています。しかし競争の激しいこの市場のプレイヤーにとって、引き続きテクノロジーが課題になるとみられます。
セレントの最新レポート「米国年金市場のトレンドとテクノロジー上の主要課題」は、急速に拡大する年金市場の参加者が抱えるテクノロジー上の課題に焦点を当てています。レポートでは、売上動向、業界の集中度、規制当局からの圧力について論じるほか、レガシーシステムや要求の厳しい代理店向けのサポートといったテクノロジー上の個別課題を検証し、年金商品の売上高が年間50万米ドル(約6,000万円)を超える大手の年金商品提供企業を対象とする調査データも掲載しています。
「年金市場は競争が激しいだけに、商品の先進性や代理店のサービスが極めて重要となります」と指摘するのは、セレント保険プラクティスのマネージング・ディレクターでレポートの主要執筆者のマシュー・ジョセフォウィッツです(同レポートは、シニアアナリストのクレイグ・ウェーバーとリサーチアソシエイツのアシュレイ・エバンスとの共同執筆)。「しかし、それらを実現するためには様々なテクノロジー上の課題を克服する必要があります。例えば、柔軟性に欠けるため新商品への対応が困難なレガシーシステムに、それらに対応可能な機能を追加するためのサポート、提携先代理店とのシステム統合の管理、競合するウェルスマネジメント・プロバイダーに対抗する有力な代理店ツールや保険契約者向けサービスの提供、ストレート・スルー・プロセッシングへの移行、バリュエーションなどの集約的なデータ処理を巡る問題の処理などが挙げられます。」
「今後は、自社の商品を取り扱ってくれる代理店の争奪戦を軸に年金市場の再編が進むとみられます。再編はビジネス上のメリットをもたらす一方、システム、口座、契約データなどの統合作業を担うCIOは多大な課題を抱えることになるでしょう」とウェーバーはコメントしています。
セレントのレポートは、米国の年金商品提供企業による2007年のIT投資総額は83億ドル(約1兆円)となり、2011年には100億ドル(約1兆2,000億円)近くまで増加すると予測しています。また、2007年の投資総額のうち約13億ドル(約1,560億円)は、新たな戦略的プロジェクトに伴うソフトウェアやサービスに振り向けられるとみています。具体的には、商品管理、その他のコアシステムの強化、販売システム、保険契約者向けサービスなどです。
レポートには、製品の特性を一部しか提示していないベンダーや、セレントの調査対象の基準を満たしていないベンダーに関する情報も部分的に掲載しています。
「新テクノロジーへの投資は、この市場における競争上の優位を維持していくための唯一の手段といえるでしょう」とジョセフォウィッツは述べています。
本レポートは21ページから成り、市場データ、年金商品提供企業に関するデータ、IT投資予想を示す10の図表を掲載しています。
注)米ドルから日本円への換算レートは、2007年4月27日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。