住宅ローン申請のデジタル化:より安く、速く、便利に
2017/03/09
REPORT PREVIOUSLY PUBLISHED BY OLIVER WYMAN
Abstract
食品配達モバイルアプリで10ドルのピザを注文すると、配送状況を通知するメールが何度も送られてきます。宅配業者は40ドル相当の荷物の配送過程を利用者に逐次公開しているだけでなく、途中で配送スケジュールや配送先の変更にも応じています。2.99ドルの映画のDVDの借り方が分からない時、アマゾンの「Mayday」ボタンをクリックするとすぐにサポートスタッフにつながります。でも、人生で最も高額な買い物である住宅購入資金の調達の可否については、顧客を1ヵ月以上も待たせていいのでしょうか?消費者は少額の買い物と同様の利便性、権限、透明性を期待していないでしょうか。
最近までは、「小額の買い物と、住宅ローンとでは話が違うのだ」という貸し手側の言い分ももっともだったかもしれません。業界の規制、精査すべき書類、複雑な意思決定、利益率の低さからみて、顧客経験の向上は不可能だったからです。しかし今、顧客はQuickenなどのプロバイダーを通じてデジタル上による住宅ローン申請を経験できるようになっています。
本レポートでは、住宅ローンの貸し手にとって近い将来不可欠のツールになると思われるデジタル機能について説明しています。現在、サードパーティーの新興プロバイダーがソリューションを提供するようになり、投資家と保証人がそれらを受け入れ、進んで利用している状況です。競争が激しくなっている現状を踏まえると、デジタルソリューションが既存のテクノロジーを利用してさらに進化し、ローン申請の煩わしい手続きが簡素化される日も近いでしょう。