中国の中小銀行向け勘定系ソリューション
Abstract
中国の都市銀行―中国においてはティア3のバンキング市場―は近年、急速に成長してきました。2011年には預かり資産総額が前年比で38%も増加しており、2013年には2兆米ドル(約158兆円)に達すると見込まれます。中国の都市銀行がこうした成長に適応し、国内外の銀行との競争でより良い結果を出すためには、勘定系システムの更新が必要です。
中国では大手銀行の大半が勘定系システムの更新を完了しています。そこで今後数年は、都市銀行が勘定系システム市場で重要な役割を果たすことになるでしょう。都市銀行の多くでは、現行の勘定系システムの使用開始からすでに5年以上が経っており、いまだに、トランザクション処理に焦点を絞った第2世代勘定系システムを利用しています。しかし、都市銀行間の統合や合併、全国規模への拡大、バンキング業務処理の中央集中化、バンキングプロセスの改良、消費者重視のマーケティングや価格決定/サービス/プロセッシング、より迅速かつ複雑な商品を設計する能力や複数チャネルを一体化する能力の必要性といった要因に押されて、都市銀行では勘定系システムの更新が急務となっています。
セレントの最新レポート「中国の中小銀行向け勘定系ソリューション」では、現行の勘定系システム、トレンド、市場の勢力図、中国勘定系システム市場における国内ベンダーと海外ベンダーの市場シェアなどについて考察しました。また勘定系システムの国内ベンダー6社について、そのプロフィールを簡単に紹介しています。
「中国の銀行が海外の勘定系システムを導入する際の最大の障害は、そのためにはまず、組織改革を進め、プロセスの流れを再構築する必要がある、ということです。中国の銀行がそうした変化に円滑に適応していくには、ベンダーが強力に銀行に新たなパラダイムへの移行をサポートしていく必要があります。また、中国の都市銀行は一般に、外資系銀行より多くの顧客を擁しているため、海外ベンダーは商品のスピードとパフォーマンスを向上させることも必要です」と、アジア金融サービスグループのアナリストで執筆者のフア・ジャンは述べています。
注)ドルから日本円への換算レートは、2012年5月31日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。