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米国における三者間レポ取引:好調に滑り出したが道のりは遠い

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2011/11/10

Abstract


米国の第三者レポ取引市場では、1日当たりの平均担保価値が2008年5月の28億ドル(約2177億円)から2011年8月時点では16億ドル(約1244億円)に減少しました。これは、金融危機や世界的な景気後退の影響がレポ市場にも及んでいることを示しています。

米国の三者間レポ取引(TPR)市場では、金融危機の混乱とそれによって顕著化した問題に対応するための改革が進められています。これを主導するのは、ニューヨーク連銀がPayments Risk Committee(PRC)の指針に従って構成した業界のタスクフォースです。セレントの最新レポート「米国における三者間レポ取引:好調に滑り出したが道のりは遠い」は、決済銀行からブローカーディーラーに供与される日中信用を従来の水準から10%縮小するとしたPRCの改革案が及ぼす影響を分析しています。また、PRCは担保管理を強化するため、現金を担保とする取引を奨励する方針です。

過去1年半にわたり、担保価値はほぼ16億ドル前後(約1244億円)で推移しています。改革の一環として、買い戻しの決済時間を午後3時半に移行したものの、2011年8月時点で売買高にその影響はみられません。

「改革の実行にあたっていくつか問題が発生しており、その手続きは予想をはるかに超える複雑な内容となっています。現金を担保とする取引に執行コストが課されるため、こうした取引で市場参加を目指す投資家が二の足を踏む可能性があります」とセレントのシニアアナリストでレポート執筆者のアンシュマン・ジャスワルは述べています。

レポートではまず、三者間レポ取引のメカニズムと1日のスケジュール、市場の売買高、使われる担保の種類、取引の集中度などを解説しています。さらに、PRCタスクフォースの提言とそれを実行するために必要な業務体制を明らかにし、提言が市場や様々なステークホルダーに及ぼす影響についても考察しています。最後に、提言された改革を実行する際に生じる課題や問題を挙げています。

注)ドルから日本円への換算レートは、2011年10月31日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。