IFX標準:世界的な普及は時間の問題か
Abstract
IFX標準の普及は中々進まず、世界のトップ銀行50行においても現時点で同標準の採用行は全体の25%にとどまります。しかし、今後、急発展し、2009年にはトップ銀行の60%が同標準を採用するに至るでしょう。
IFX(Interactive Financial Exchange)は、Webサービスタイプのインターフェースを通じた金融取引を可能にするXMLベース標準です。同標準は、テクノロジープラットフォームに左右されることなく、金融データの交換ができる機能を提供します。これまでIFXの普及は遅れていましたが、今後金融業界で幅広く採用されるようになる好状況にあると、セレントの最新レポート「IFX標準:世界的な普及は時間の問題か」では述べています。レポートでは、IFXの持つ可能性を①システム間の相互運用性の向上、②開発コストの削減、③新商品・サービスの商品化スピードの加速、④多様なシステムおよびハードウェアの運用・保守コストの削減、の観点から検証しています。
IFX標準の導入による効果は認識されているものの、銀行は実際の採用時期については、慎重に検討を重ねてきました。このため、同標準の持つ可能性にもかかわらず、これまでの普及は中々進みませんでした。「大手有力金融機関だけが早くからIFX標準の採用に踏み切りました。一方、大多数の銀行は、同標準のコンセプトが実証され、導入による投資対効果の見通しが確信されるまで採用を見合わせているのが現状です」と、セレントのアナリストで本レポートの執筆者であるイザベル・フォンセカは述べています。
一方、共同執筆者のニール・カタコフは、「IFX標準の開発を支援している機関は、同標準の採用が圧倒的な競争上の優位をもたらすと見ています。ただ、皮肉なことに、これらの機関がさしあたりIFX戦略の手の内を見せずにいるため、業界全体における標準適用を妨げている状況です」と指摘しています。
レポートでは、IFX標準と金融業界におけるその導入効果、普及の要因と障害について概要を提供しています。また、北米、欧州、アジア太平洋地域におけるIFX標準の普及状況を調査し、各地域から導入例を紹介しています。
本レポートは、5図と6表を含む全28ページで構成されています。