欧州のファミリーオフィス市場:ビジネス機会はどこに?
Abstract
(このレポートは2008年7月18日に英文で"The European Family Office Market:Where Is the Opportunity?"というタイトルで発表されましたが、和訳版が2008年12月5日に発行されました。)
欧州ではファミリーオフィス市場のプレゼンスがいまだ低く、超富裕個人層への平均普及率は18%にとどまっています。しかし、欧州には富が集中している上、この分野では未開拓の超富裕層も多いことから、同市場の急成長が見込まれています。
欧州の超富裕層は市場全体の富の27%近くを保有しており、ここ2~3年は8%のペースで着実な成長を続けています。セレントの最新レポート「欧州のファミリーオフィス市場:ビジネス機会はどこに?」は、市場全体の概要を明らかにしています。レポートではファミリーオフィスとそのサービスを分類し、同市場におけるテクノロジーの役割を調査しています。また、オーストリア、ベネルクス諸国、ドイツ、スペイン、スイスのファミリーオフィス市場について紹介しています。
ファミリーオフィスは、サービス対象となるファミリーの数と資産の保有構造によって分類されるのが一般的です。今回のレポートでは、①単一家族にサービスを提供するシングル・ファミリーオフィス②複数の家族にサービスを提供するマルチ・ファミリーオフィス③ファミリーオフィス・サービスのプロバイダーの大きく3つに分類してい ます。欧州には市場全体の45%に相当する計1,920のマルチ・ファミリーオフィスがあり、ファミリーオフィスのタイプ別ではこの分野の成長が最も大き いことがうかがえます。
「欧州市場は米国市場ほど成熟していない上、なお極め て差別化されています。今回調査した市場のうち最も開拓が進んでいるのはスイス市場で、しかも依然高い成長性を示しています。同市場では独立系マルチ・ ファミリーオフィスが主流で、シングル・ファミリーオフィスの多くは急ピッチでマルチ・ファミリーオフィスへの転換を進めています」と述べるのはセレントのシニアアナリストでレポートの共同執筆者であるイザベラ・フォンセカです。
本レポートは、超富裕個人層向けファミリーオフィス・サービスに関心のある企業にとって有益な情報を提供しています。具体的には、現在のファミリーオフィス・モデルやその成功要因を解説するほか、主な脅威や課題についても取り上げています。
本レポートは12図と11表を含む32ページで構成されています。