保険業界のソフトウェア導入動向:2003-2004年(損害保険編)
Abstract
米国のあらゆる規模の保険会社が、新たなテクノロジーを通じた業務改善を積極的に進める中、保険会社業界対象ソフトウェアの導入実績は回復傾向にあります。
保険会社のソフトウェア導入動向に関するセレントの最新調査では、同業界におけるソフトウェア導入頻度は増加傾向を示しており、昨年調査と同様、興味深い結果が得られました。
セレントの最新レポート「保険業界のソフトウェア導入動向:2003-2004年(損害保険編)」の中で、著者であるシニアアナリストのクレイグ・ウェーバーは、「保険会社によるソフトウェア導入は確実に増加しています。保険会社は、特に保険契約管理などの中核業務において、業務効率化や顧客サービス改善などの効果をもたらすソリューションの採用を積極的に進めています」と述べています。また、ウェーバーは、昨年10-12月期の導入件数が前年同期比で35%増加したと指摘しています。
「今回の調査結果は、保険会社の戦略を探る上で貴重なヒントを与えてくれるものです。ビジネスプロセス、保険会社の規模、代表的なプロバイダーといったカテゴリー別に導入実績を分析することにより、様々な事実が浮き彫りにされてきます。例としては、どのタイプの保険会社が新規投資に乗り出しているのか、どの分野の改善を目指しているのか、主要カテゴリー別の有力ベンダーはどこか、といった内容です。最後のポイントに関連して、レポートでは18項目の取引カテゴリーごとに有力ベンダーを紹介しています。
その他に次のような分析結果について詳述しています。
- 導入件数は、損害保険と生命保険の両分野共ほぼ一様である。
- 主要カテゴリーのうち最も導入件数が多かったのはコアプロセッシングで、文書管理、販売、インフラと続く。販売とコアプロセッシングの2つのカテゴリーだけで導入件数全体の57%を占めている。
- 保険業界向けソフトウェアの有力プロバイダー数社は、1つまたは複数のカテゴリーで高い導入実績を上げている。このことから、商品力、テクノロジー、保険業界での実績を備えた大手プレーヤーが成功を続けている状況がうかがえる。
レポートでは、①コアプロセッシング、②販売、③文書管理、④インフラの主要カテゴリー別に導入実績を分析しています。各主要カテゴリーはさらに、保険契約管理、請求書作成、文書イメージング、ビジネスルール管理などのサブカテゴリーに分類されます。
また、レポートは2003年から2004年にかけての970件を超えるソフトウェア導入事例に基づいて書かれたもので、主な取引データ(保険会社のタイプ、規模、ビジネスプロセスなど)は100社以上のソフトウェアベンダーから提供されたものをまとめました。また、それ以外にもパブリックな情報ソースも参考にしています。