2017年 保険販売管理システムベンダー:北米編
Abstract
市場の競争が激化し、保険料の低下圧力が続く中、保険会社は販売プラクティスの改善、具体的には販売チャネルの拡大、既存チャネルの 最適化、新分野の開拓を通じて顧客の獲得・維持に取り組んでいますが、チャネル間の効率的な関係をデザイン、開発、維持、管理することで、持続可能な競争 上の優位を作り出すことは可能です。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 新たな販売管理ソリューションの導入の意思決定に影響を及ぼす要因とは? |
2 |
保険会社が販売管理ソリューションを評価する際に注目すべき機能は? |
3 | 販売管理ソリューションの新規導入に際し、どのソリューションを評価対象にすべきか? |
IT投資に影響を及ぼす最大のビジネス目標は、依然として業務の拡大と顧客の維持です。保険料の低下圧力が続くなか、保険会社の多くは販売プラクティスの改善による成長拡大を目指しています。
一 部の保険会社は販売チャネルのサービス拡充と販売業者へのサービス改善を最優先し、代理店サービスを改善することで業務を維持・拡大する戦略を強めていま す。また、販売業者が適正なライセンスを取得しているかなど、販売管理のコンプライアンス面を重視するケースも見られます。保険会社の多くは、報酬ツール /テクニックを使って生産性の向上に取り組んでいます。
データにも注目が集まっています。データの有効な活用を通じて戦略的に管理し、さ らにホールセラー、総代理店および管理総代理店(MGA)といったチャネルを加えたり、他の保険会社と提携関係を結んだりしています。生命保険分野では独 占代理店、独立系マーケティング会社、ファイナンシャルプランナー、銀行をはじめとする幅広いチャネルとの連携が拡大しています。こうしたマルチチャネル は市場の異なるセグメントをターゲットとする上で有効である一方、チャネル管理は複雑化するという側面もあります。
「様々な問題が保険会 社による販売チャネルの管理を難しくしています。今のような低成長の環境下では、一貫性に欠けるアプローチは深刻な影響を与えます。既存の販売業者の生産 性を上げ(彼らの満足度を維持する)、新たな代理店を開拓し(短期間最小限の労力で彼らを即戦力にする)、全ての販売活動の業績をモニタリングする(誰が 何をし、適切な措置をとっているかを把握する)ことが不可欠です。その中で、販売管理システムは、チャネル間の関係を効果的に管理するツールとテクノロ ジーを提供するものです。」
「全体として、ベンダーはポータル向けシステムに多額の投資を続けています。それらのソリューションはより多 くの機能の提供、コンフィグレーションツールの改善、持続性の向上を可能にするもので、サービス指向アーキテクチャとウェブサービスは事実上標準化してい ます。こうした流れはいずれも保険会社にメリットをもたらすものですが、ベンダーを取り巻く競争は一段と熾烈化しています」と保険プラクティスのリサーチ ディレクター、カーリン・カーナハンは述べています。