リスク管理における戦略的イノベーション(パート3):ゲームチェンジャーとなるために
Abstract
リスク管理において、各市場プレーヤーが何に価値を置くかは変化し、それによってバリュープロポジション、ビジネスモデルにも目に見える変化がみられます。業務上のイノベーション、戦略的なビジネス遂行能力、新たな収益モデルが勝敗を分けるカギとなるでしょう。
シリーズ第3弾となる「リスク管理における戦略的イノベーション:ゲームチェンジャーとなるために」で、セレントは事例紹介とともに業務イノベーションとビジネス遂行能力の拡大を提言し、テクノロジー主導のイノベーションが業務能力の大幅な拡大と、市場の大構造改革をもたらす可能性を示唆します。
企業は、集中的かつ知的な方法でイノベーションを進め、新たなバリュープロポジションを策定し、業務およびテクノロジー運営における過剰キャパシティを削減し、リスク・コンプライアンス管理能力の有効性を高めることを余儀なくされています。市場環境によって、企業は事業運営、コスト管理、差別化をいかにして進めるのかをあらためて検証することを余儀なくされています。
「潮流は変わりつつありますが、新しいイノベーションや業務モデルの全てが生き残るわけではありません。規模や専門化といった面で劣る企業は大企業と肩を並べるための方法を模索しなければなりません」と、本レポートを執筆者したリサーチディレクターのキュビラス・ディンは述べています。
「安定した流動性ソースへのアクセスとその管理のためのさまざまな 業務遂行モデルを調整し、インフラと リスク仲介業務とをうまく統合させられた企業が勝者となるでしょう。こうすることで企業は、最適な担保構成、資金調達コストの削減、カウンターパーティリスクの管理を実現し、競争上の優位性を確保することができます」
本レポートは、業務イノベーションについての洞察とケーススタディを紹介するものです。本レポート中の戦略的ビジネス遂行能力と新たな収益モデルは、セレントが多数の金融機関、すなわちBNP Paribas、Citi、 DTCC、Euroclear、Goldman Sachs、MFS Investment Management、Morgan Stanley、UBS Investment Bank、Riskalyze、ZestFinanceなどを対象とした調査を通じて浮かび上がったベストプラクティスに基づいています。