2014年 保険金請求システムベンダー評価:中南米損保
Abstract
保険金請求管理は損害保険会社の基幹業務であり、なかでも保険金の支払いは財政面において非常に重要度の高い業務です。そのため、従来の保険金請求システムは補償金の支払業務に焦点をおいて設計されていましたが、最近の保険金請求管理業務は保険金や顧客に関する情報だけでなく、業務に関連する全てのトランザクションとエコシステム全体の関係性を取り込んで行われています。
このような状況に対応するため、保険金請求システムはモノのインターネットをはじめとするデータを有効活用し、なおかつ不正行為防止やリスク管理業務、顧客サービスの提供等を支援するシステムへと進化する必要性に迫られています。今のところそのようなニーズに標準仕様で対応しているパッケージ型保険金請求システムは販売されていませんが、データの威力を活用できるオプション機能を提供するベンダーが少なくとも1社登場しています。
保険会社にとっての最終目標は、保険金請求システムで全ての業務に対応し、アジリティ、正確性、適時性をもって保険契約で定めた補償を顧客に提供することです。セレントは、保険会社が理想とする保険金請求システムを実現するには、重要業務を管理するにあたってテクノロジーの導入を戦略的に進めていくことが不可欠であると考えます。
本レポートでは、中南米の損害保険会社が利用可能な12の保険金請求システムについて①機能、②顧客基盤、③サポート対象、④テクノロジー、⑤実装実績、⑥ プライシング、⑦サポートサービスの面から分析し概要を説明しています。特に、テクノロジーを活用して保険金請求管理プロセスの効率性を高めようと考えている保険会社にとって役立つ内容となっています。
「レガシー(保険金請求)システムでアジリティを実現しようとするのは至難の技であり、大半の保険会社は保険金請求業務の改善を目指して何らかの取り組みを行っています」とセレント保険グループのアナリストでレポートの共同執筆者であるルイス・チパナは述べています。
「我々の調査によると、保険会社の約1/3は保険金請求システムのリプレースを計画しており、いずれのリプレースも、コンポーネント毎または大規模な改革プロジェクトの一環という比較的小規模な単位で実施されるようです」とセレント保険グループのシニアアナリストでレポートを共同執筆したホアン・マツィーニは述べています。
本レポートは62p、24図で構成されています。