欧州ウェルスマネジメントテクノロジー:勘定系システムベンダー評価
Evaluating Core Banking Technology for Wealth Management
Abstract
欧州のウェルスマネジメント業界は、規制強化に伴う負担増、不安定な市場、利益率の低さに直面しながらも進化を続けています。顧客ニーズの高まり、新たなサービスチャネル、競争激化への対応を迫られ、各社ともベンダーの絞り込みを通じてコストを削減する一方、IT投資を拡大する方法を模索しています。
ウェルスマネジメントを手がける金融機関は、顧客と優秀なアドバイザーをつなぎとめるための戦略策定に注力しています。セレントの最新レポート「欧州ウェルスマネジメントテクノロジー:勘定系システムベンダー評価」は、この分野に進出している欧州のベンダーをテーマとするシリーズ3本目のレポートです。今回は、ウェルスマネジメント向け勘定系プラットフォームを手がける欧州の主要ベンダーについて調査しました。
欧州のシステム市場には多くのベンダーが参入しています。そこでセレントは、これらのベンダーを①フロントオフィス向けプラットフォームを手がけるプロバイダー②フロントからバックオフィスまでの統合システムを手がけるプロバイダー③勘定系プラットフォームを手がけるプロバイダーの3つに分類しました。本レポートでは、③に焦点を当てています。
「ウェルスマネジメント市場は競争が激しいため、この分野に参入しているベンダーには差別化と柔軟性が求められるでしょう。ビジネスモデル、顧客セグメント化の戦略、サービス提案を修正できるベンダーは顧客をつなぎとめられると同時に、新規顧客の獲得にも成功するでしょう」とセレント証券グループのアナリストでレポートを執筆したアシュレー・グロバーマンは述べています。
本レポートは、各ベンダーの詳しい特徴を取り上げ、それぞれの強みと弱み を特定しています。また各ソリューションの特性と機能を評価し、さまざまな機能に基づいてベンダーを比較しています。セレントのABCDベンダービューを 使って、①テクノロジーの先進性②機能の幅③顧客基盤④顧客サービスとソリューションの拡充度―の4つの要素ごとに各ベンダーの市場ポジションを比較し、 図表化しています。そして最後に、今後の市場見通しについて考察しています。レポートで取り上げたベンダーはAvaloq, ERI Bancaire、インフォシス、Sopra Group、サンガード、Temenos (T24)です。