銀行に不可欠なサイバー脅威インテリジェンスの共有
2018/03/14
ジョアン・マッゴーワン
Key research questions
- なぜ銀行は他の銀行とサイバー脅威に関する情報を共有すべきか?
- 膨大な量のサイバー脅威関連データをより効果的に管理するために、銀行はどう取り組むべきか?
- サイバー脅威インテリジェンスの共有プラットフォームの構築に必要な最新テクノロジーとは?
Abstract
サイバー攻撃というのは巨大なものであり、各銀行がそれぞれ独自に対応できるような代物ではありません。
ある銀行がサイバー脅威を検知すると、他の銀行もリスクを未然に防げます。この点を見ても、サイバー脅威インテリジェンスの共有は、銀行にとって利に適ったものです。しかし、これまでのところ、銀行はタイムリーにこういった情報を共有することができませんでした。本レポートでは、銀行が直面するデータ関連の課題と、効果的なサイバー脅威インテリジェンスの共有のために必要な先進技術について説明します。
銀行はサイバー脅威関連の情報(Cyber Threat Intelligence, CTI)プログラムを採用するのが遅れており、これまでこうしたサイバー脅威関連の情報を迅速に共有するために必要なデータ分析・統合技術にあまり投資してきませんでした。
銀行がサイバー攻撃に立ち向かうのであれば、銀行業界はCTIを共有するコンセプトや、CTI共有コミュニティプラットフォームの支援、情報共有における標準化、そしてベストプラクティスの共有などの考え方を取り入れなければなりません。
十分にガバナンスの効いた共有モデルの確立は困難ですが、得られる効果は絶大なものになるでしょう。協業モデルは、サイバー攻撃の撲滅に向けた最強の武器になる可能性があります。