キャッシュ・マネジメント・ソリューション:革新性と先進性の円熟期
Abstract
セレントの予測では、米国銀行による2005年のキャッシュ・マネジメント・ソリューション関連のIT投資額は5億2,800万ドル(約611億円)に達する見通しです。この額は、各行が先進性や革新性を追求する中で、2007年には6億3,300万ドル(約733億円)に膨らむでしょう。
あらゆる規模の企業が金融機関にキャッシュおよび財務の多様なマネジメント・サービスを求める傾向が強まっています。キャッシュ・マネジメント市場の競争にこうした法人顧客からの需要が加わり、この分野では次々と革新的なソリューションが生まれています。
セレントは最新レポート「キャッシュ・マネジメント・ソリューション:革新性と先進性の円熟期」で、キャッシュ・マネジメントのコア機能とそれらを補完する革新的機能を区別することにより、この分野のソリューションの現状を異なる視点から検証しています。さらに、銀行が採用している最新のコア機能や、各行の商品を差別化する付加機能についても検討しています。最後に、革新的な特性や機能を打ち出してキャッシュ・マネジメント事業の拡大に成功したABNアムロのケーススタディを紹介しています。
金融機関は、キャッシュ・マネジメント収入の伸びが鈍化するという不穏な数字に悩まされており、新たな収益源を確保するため、最新の革新的なキャッシュ・マネジメント・ソリューションを必要としています。とはいえ、すべての銀行やキャッシュ・マネジメント・ソリューションのベンダーが革新的なソリューションの提供を急いでいる訳ではありません。市場は正に二分されており、一方にはキャッシュ・マネジメント・ソリューションはピークを過ぎたとして動きの鈍い銀行やベンダーのグループがあり、もう一方には明らかに革新者としての役割を担う金融機関やベンダーが存在します。そのことを見極めようとしている銀行にとっては、好機にあります。
「コア特性・機能の強化に注力する銀行は、着実に前進して顧客の業務効率性をサポートすることが可能です。そこから、革新性に続く最先端に到達でき、より良い顧客関係も構築できるでしょう」と、セレントの銀行プラクティスのシニアアナリストで本レポートを執筆したジェイコブ・イエーガーは述べています。「革新性の最先端を目指して努力することによって、銀行は法人顧客のニーズをより深く理解し、自行の主力製品をより有効に強化できるでしょう。」
このレポートは、6図と4表を含む全30ページから構成されています。
注)米ドルから日本円への換算レートは、2005年10月31日の仲値(東京三菱銀行公表による)を参照。