インド株式市場:流れに逆らい上流へ?
2013/10/10
アンシュマン・ジャスワル
Abstract
2012年から2013年にかけて、インド経済は低迷しました。インド株式市場の不振をもたらした要因としては、経済成長の鈍化、急激なインフレ、為替レートの急落などが挙げられます。
本レポート「インド株式市場:流れに逆らい上流へ?」で、セレントはインドの現物・先物株式市場の最近の動向を分析しています。この1年はインドにとって困難な年となりましたが、インドナショナル証券取引所(NSE)は、危機をうまく乗り越えたようです。2012年に、同取引所は世界第3位のデリバティブ取引所となりました。2012年には出来高が落ち込んだものの、他の取引所に比べると小さな低下にとどまりました。
2014年度(2013年4月~2014年3月)は、推定1日平均売買代金、株価指数オプション売買高、株式オプション売買高が全て増加する見込みです。デリバティブ市場は、昨今の経済不安がかえって幸いし、順調な成長を継続しているように見受けられます。
「NSEの株価指数オプションは、同取引所の主要なデリバティブ商品となっており、世界の全取引所の中でその取引高は第2位となっています」と、株価指数オプションの好況によって、NSEが国内および世界の困難な経済環境を乗り切り、過去数年間に遂げた進展を今後も継続できるでしょう」本レポートの執筆者であるセレント証券・投資グループのシニア・アナリストのアンシュマン・ジャスワル は述べています。
本レポートは、NSE株式市場の売買代金、売買高、市場集中度、時価総額、銘柄数など、株式現物市場のさまざまなパラメーターを考察します。その後、NSEの株式デリバティブ市場について株価指数先物と株式先物、株価指数オプションと株式オプションなど、様々な商品の成長について論じます。