2022年 北米リテール銀行のIT戦略:クラウド、データ、デジタル融資を優先
2022/03/27
Key research questions
- 北米のリテールバンキングにおいてテクノロジー投資を促す最も重要な要素は何か?
- クラウドとデータ分析への投資はどう変化していくか?
- 商品レベルでの最大の変化はどこで起こるのか?
Abstract
2022年は北米の銀行にとってイノベーションの年となるだろう。パンデミックによる影響がほぼ峠を越え、顧客の求めるものが明確になってきた今、業界は成長促進へと力を注いでいる。
IT投資を明らかに重視していることがその表れである。業界全体にわたり、大小問わずあらゆる金融機関がIT予算の大幅な拡充を発表しており、その多くは自行の商品、エクスペリエンス、業務における様々な機能強化にIT予算を活用する明確なプランを掲げている。北米のリテールバンクのIT予算は対2021年比で平均して4.8%増加したと報告されている。2023年にはさらに予算が拡大すると見込まれているが、これはリテールバンキング業界がパンデミックからの脱却を加速させる中、テクノロジーを活用した成長への意欲が高まっていることを示している。
この業界において、商品レベルでの戦略的なテクノロジー優先事項について新たな手がかりとなるよう、セレントはバンキングIT戦略調査(CBISS)を開始した。そして約200行の銀行と綿密な意見交換を行う中で、これから先1年の技術的最優先事項と、最も大きな変化が予想される商品およびプロセスに関して詳細なインサイトを集めた。
本レポートでは、北米の銀行の投資への見通しと戦略的課題について詳述する。
主な調査結果:
- 銀行の65%がビジネスの獲得と維持は1年前よりも困難になっているとの考え
- 55%が2022年のテクノロジー優先事項として、パブリッククラウドインフラへのワークロードの移行を言及
- 53%がデータ管理への投資に重点を置いており、米国ではその割合は55%
- 銀行の63%がデジタル融資エクスペリエンスに投資しており、まさに商品の最優先事項
- 63%が自組織にはオープンエコシステムと連携するための明確な戦略があると報告
リテールバンキング業界への教訓は明白である。北米の銀行にとって資金調達の革新は主要な戦略的原動力である。投資をしない銀行は、市場で後れを取る可能性がある。