2020/06/25
電子取引におけるコネクティビティの変化
Abstract
コネクティビティはテクノロジーが急速に変化しつつある分野であり、特にナノ秒に近い単位で変動する細分化された流動性の世界では、完璧に調和する多くの要素やプレーヤーを組み合わせる必要がある。要素やプレーヤーは多岐にわたるため、資本市場におけるコネクティビティの意味するものは、市場参加者が所属する金融機関の種類や組織内の部門・役割によって異なるのは当然である。
資本市場ではおびただしい数の変化が起きており、それに伴い多数のベンダーが他のプレーヤーと協力または競合しながら製品・サービスを提供している。ここでは、顧客、市場/取引所/べニュー、市場データおよび取引後のコネクティビティを提供する多数のベンダーを取り巻く状況を概説する。
この分野の勢力図は既に複雑化しているが、今後もテクノロジーの進化やビジネスの変化は続くとみられる。こうした流れのなか、ベンダーとその顧客であるバイサイドの金融機関やディーラーがこの先の変化に対応していくためには機敏性と柔軟性を維持することが不可欠だろう。
コネクティビティをめぐる主要トレンド
- あらゆるアセットで電子取引が拡大:電子取引およびアルゴリズム取引の拡大に伴い、アセットクラスごとに様々な専用コネクティビティが普及
- コストおよびコマーシャルモデル:マネージドサービス、コネクティビティ、および業務提携やコネクティビティ・チェーンの一部をアウトソーシングするための新たなコマーシャルモデルの登場
- ネットワークの管理:バイサイドとセルサイドの金融機関は、複雑に入り組んだグローバル取引のニーズへの対応をサポートできる単一プロバイダーを求めており、ネットワーク管理の変革が進む
- クラウド:クラウドのユースケースは分析から取引執行へと拡大
- 顧客エンゲージメント:顧客エンゲージメントで生じる衝突に対応するため、様々な取引チャネル(電子取引、音声取引など)から総合的なインサイトを得るためのマシンラーニングなどの分野が発展
- セキュリティ/プライバシーとコンプライアンス:セキュリティ/プライバシーへの懸念に加え、リスクや規制の観点からのコンプライアンス要件からコネクティビティへのニーズが高まり、あらゆる種類のコネクティビティの正確な運用を可能にするモニタリングツールを求める動きが加速
(詳しい情報は、セレント北川俊来TKitagawa@celent.comまでお問合せください)