欧州の株式オプション市場:存在感を増す取引所と電子取引
Abstract
欧州は、株式オプションの店頭取引が最も発展している市場です。しかし、欧州市場の成熟化が進み、カウンターパーティー・リスクの低減が求められるなか、一部のOTC取引は取引所での取引にシフトしつつあります。
セレントの最新レポート「欧州の株式オプション市場:存在感を増す取引所と電子取引」は、世界の主な株式オプション市場について取り上げています。環境が急速に変化するなか、市場参加者は複雑化する取引や最新テクノロジーの導入に順応する必要があります。取引電子化の動きが広がり、市場参加者が取引所に上場する標準化された商品の取引を求めるようになったことで、店頭取引から取引所取引へのシフトが進行しています。
2008年12月から2010年6月までの間に、株式オプションの店頭取引と株価指標オプションの取引所取引の想定元本残高はともに減少しました。ただし、落ち込みが大きかったのは店頭オプションの方で、3兆1,540億ドルから2兆3,280億ドルへと約26%減少しました。取引所の方は、3億340億ドルから2億2,360億ドルへと約10%の減少にとどまっています。これは、取引所取引が相対的に底堅いことを示しています。
出典:セレント
「景気環境や規制改正の影響で、欧州の株式オプション市場はここにきて様々な圧力にさらされています。急速な進化に伴い、市場参加者は迅速な対応を迫られており、より高度な電子取引や清算機関決済にも備える必要があります」とセレントのシニアアナリストでレポートを執筆したアンシュマン・ジャスワルは述べています。
レポートでは欧州市場の概要を明らかにし、最近の動向を店頭取引と取引所取引のそれぞれの市場についてまとめています。また、取引の電子化を加速する動きと、様々な市場参加者が抱える課題についても取り上げています。
このレポートは22図2表を含む48ページで構成されています。