写真判定:百聞は一見にしかず
自動車保険会社、画像のデータ利用を急ぐ
Abstract
最近は、スマートフォンによってテレマティクスプログラムのための観測データの収集が可能になっている。これらの画像は現在データとして使用されており、ビジュアルデータに加え、タイムスタンプ、デバイス情報、ロケーション情報の活用も始まっている。こうしたデータは、引受、保険金請求、保険料請求の際に、承認、事前記入および写真のキュレーションに使用されている。このように、画像は現在、自動車保険会社によってデータとして大規模に使用されている。
スタートから終了まで (すなわち、引受における見積もりから証券発行まで、保険金請求における衝突事故から修理まで、あるいは保険料請求に使用される走行距離の記録まで)を写真に保存するという動きは、自動車保険におけるデータ駆動型の意思決定に向けて新たな競争を引き起こしている。中でも、駐車中の当て逃げ被害の証拠、自動車の火災、エアバッグ展開を伴う正面衝突、浸水した車などのケースでは、データを描写した1000の文字よりも1枚の写真の方が高い価値を持つ可能性がある。
スマートフォンやセンサー、IoTデータを利用することで、観測データを使ったリスク評価に関して多くのことが遂行可能になったが、まだ視覚化されていないリスクデータも多い。そのため、より有意なコンテキストやデータを取得することが重要になっている。例えば、車がガレージに入庫された後、運転されていない車は保険契約者以外の人の目に触れることはない。
複数の保険会社は、市場でよりスマートな存在となり、変化に素早く対応するために、写真と他のテレマティクスデータと組み合わせている。こうした保険会社は、顧客リスト全体ではなく、個々の顧客レベルでほぼリアルタイムで継続的に再査定を行っているため、リスクの変化に応じて機動的に評価を更新している。この「ユニットワンのリスク」という手法は、ポートフォリオ管理における画期的なパーソナライゼーションと言えるものである。現在、各時点の個々の評価を正確に集計したものが全体の評価となっている。