TECHNOLOGY TRENDS PREVISORY: 2022年リスク編
Abstract
ここ1年8ヵ月の間、金融機関はリスク管理とコンプライアンスのあらゆる側面で課題に直面してきた。財務リスクに関しては、経済的な逆風とボラティリティの高さによって不況と好況のサイクルが目まぐるしく入れ替わり、財務の状態も不安定になった。パンデミックがもたらした労働力の問題やボラティリティの高さによって、企業の基本的なレジリエンスや将来のシナリオを予測する能力が試されるかたちとなった。マネーロンダリングや不正行為がかつてないほど多発し、その標的になりやすい人や弱い立場にいる人が金融犯罪およびサイバー攻撃の犠牲となっている。
こうした問題や他の新たな課題を前に、金融機関が移り変わりの激しい世界で素早い変化に対応するためには、デジタルテクノロジー、AIやオルタナティブデータを使って財務およびオペレーショナルリスクを監視し、想定シナリオをリアルタイムで更新する必要がある。コンプライアンス業務ではAI、ソフトウェアロボティクスをはじめとするデジタルツールとデータを活用し、切望されている金融犯罪防止策のさらなる効率化と有効化を推進することが求められる。金融犯罪防止業務のデジタル化と自動化を後押しするためには、既存のテクノロジープロバイダーによる次世代テクノロジーへの投資に加え、アジャイル開発によるクラウドネイティブのレグテック・ソリューションのエコシステムを急ピッチで構築することが欠かせない。
本レポートは、2022年のリスクに関する5つの重大テーマについてセレントが顧客向けにまとめたガイダンスで、新たなレポートシリーズ「Previsory(Pre-viewとad-visory)を組み合わせた造語)」の一環である。同シリーズでは、金融業界の区分を超えて金融向けテクノロジーのトレンドを先進的な視点から捉え、対策をアドバイスする。