世界の銀行業界のIT投資動向
Abstract
北米、欧州、アジア太平洋における銀行のIT投資総額は、2014年に前年比でおよそ4.4%増の1,880億米ドルになる見込みです。これはテクノロジー関連の投資に重点が置かれていることによる上向きトレンドを示唆しています。
本レポート「世界の銀行業界のIT投資動向」では、北米、欧州、アジア太平洋におけるIT投資トレンドについて分析し、各地域を比較しています。投資額の増加の大部分はアジア太平洋地域の銀行によるもので、同地域における投資額は2014年には5.8%増の665億米ドル(約19.3兆円)に達するでしょう。若干の減速はあるものの、2015年も比較的安定して拡大すると予測します。
米国およびカナダの銀行におけるIT投資も拡大傾向にあり、2014年には4.5%伸びて595億米ドル、 2016年には4.6%増の622億米ドル(約6.1兆円)に達するでしょう。一方、欧州では、2013年における市況回復の継続を反映して、2014年には2.9%増の621億米ドル(約6.4兆円)に達し、2016年も引き続き拡大し、4.3%増の671億米ドル(約6.9兆円)になる見込みです。
「世界中の銀行は多額の資源をテクノロジーに投じていますが、最も重要視しているのは、イノベーションと新テクノロジーへの投資です。世界のIT投資額全体では2015年に4.6%、2016年は4.7%の成長を予測します」とセレント・バンキンググループのシニアアナリストで共同執筆者であるジェイコブ・イエーガーは述べています。
各地域(北米、欧州、アジア太平洋)でセクション分けし、その中で、顧客や投資の種類に応じた予算配分(内部向けvs外部向け、既存システム向けvs新規開発向け)を分析し、各地域におけるテクノロジーのトップトレンドを解説しています。
注)米ドルから日本円への換算レートは、2014年1月31日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。