決済におけるAIのメリットの活用:様々なワークフローと製品の強化を実現
2024/01/31
Key research questions
- 口座間決済におけるAIの潜在的なユースケースとは?
- 生成AIは決済プロダクトのイノベーションをどのように加速することができるか?
- 決済におけるAIの機会を活用するために銀行は何をすべきか?
Abstract
決済は、人工知能 (AI) 技術にとって特別な機会となる分野である。カード決済以外の決済処理は複雑であり、関連データも豊富であるため、この分野はAIの活用に適している。決済メッセージのデータを、顧客エクスペリエンスの向上や拡張サービスの提供につなげるというコンセプトは決済業界ではよく理解されており、数年前から高い注目を集めている。これには、AIがサポートできる企業顧客向けのユースケースの範囲の広さが反映されている。
しかし、銀行が決済データをより有効に活用できる方法はこれだけではない。最新のデータテクノロジーを使用することで業務の改善や効率化を促進し、それがコスト削減による利益率の上昇や顧客エクスペリエンスの向上につながる分野は他にも数多くある。その好例が、決済処理に伴う手作業による照会回数の削減であり、これはあらゆる側面にメリットをもたらす。銀行は、AIなどの最新のデータテクノロジーへの投資から得られる潜在的な収益機会を考慮するだけでなく、こうしたテクノロジーへの適切な投資によって得られる事業上のメリットを十分に把握する必要がある。
この分野のビジネスチャンスを検証するため、セレントは銀行と企業の両方から得た最新の調査結果をまとめ、銀行が決済分野におけるAIについてどのように考えているかだけでなく、それが顧客のニーズとどのように合致しているかを独自の視点から分析した。
主な調査結果:
- 銀行の73%が高度なデータアナリティクスへの投資から明確な収益機会を実現したと回答
- 銀行の29%が2023~2024年の投資優先事項にAIと自然言語処理(NLP)を挙げた
- Tier 1銀行の45%が決済プロダクトのイノベーションを実現する上で最大の障壁となっているものの1つに、開発能力の不足を挙げた
- 企業顧客の69%が業務効率をより高めてくれるプロバイダーへのバンキング業務の移行を検討していると回答
- データ主導型サービスに関心のある企業顧客の77%が、「料金を支払ってでも利用したいサービス」トップ3の1つにアナリティクスを活用したツールを挙げた