コーポレートバンキングのテクノロジートレンド:アジア、欧州および北米
Abstract
セレントでは、毎年、世界中のアナリストの考察を総括し、銀行、ベンダー、顧客およびそれ以外、監督当局、中央銀行から得た情報をもとに各地域の主要トレンドをまとめています。今回の考察では、銀行は守りから攻めの姿勢に転じ、事業拡大に向けた戦略を探っていることがわかりました。
2009年の世界的な金融危機以降、銀行の業務遂行のあり方は基本的に難しさを増しています。世界のどの地域の銀行も景気低迷によるあおりを受け、ここにきてようやく景気回復の兆しが見え始めたところです。また、金融システムが崩壊の危機にさらされたことを受け、銀行に対する社会や監督当局の目にも厳しさが加わっています。昨年発行したレポートでは、世界の銀行の最優先課題として次の3つが挙げられました。
- リスク管理
- コスト削減
- マルチチャネル販売の推進
最新レポート「2011年 コーポレートバンキングのテクノロジートレンド」では、多くの銀行が再び攻めに転じている現状が明らかになっています。金融危機の発生当時、コーポレートバンキングの分野はリテールバンキングほど大きな打撃を受けておらず、特に決済サービスやキャッシュマネジメントはその傾向が顕著です。また、他の地域ほど深刻な影響を受けなかったアジアでは、成長の勢いが加速しています。
- マルチチャネル販売は今回も優先課題のトップ3に選ばれ、モバイル機器を通じたキャッシュマネジメントやインターネットバンキングの顧客満足度などがテーマに挙げられています。
- ペイメント関連分野への注目が高まっています。手数料ビジネスであるキャッシュマネジメントは金融危機の影響を受けなかったため、銀行は世界各地でこの分野への投資を拡大しています。
出典:セレント
「コーポレートバンキングの分野では世界中で様々なプロジェクトが進められていますが、いくつかのテーマは繰り返し取り上げられます。銀行は、グローバル決済サービスやそれをサポートする決済インフラなど手数料ビジネスへの投資を行っています。また、リモートデポジットキャプチャー、モバイルバンキング、法人向けインターネットバンキングといったチャネルにも投資し、法人顧客と銀行のより密接な関係構築を目指しています」と、セレント銀行グループのシニアバイスプレジデントでレポートを執筆したバート・ナーターは述べています。
このレポートは9図1表を含む32ページで構成されています。