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世界の銀行業界のIT投資動向

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2013/01/22

Abstract

北米、欧州およびアジア太平洋地域のIT投資総額は、2013年には1,792億ドル(約15.5兆円)に達し、2012年に比べて約3.4%増える見通しです。小幅な伸びは今後の投資拡大を示す明るい兆しではあるものの、地域別でみると無視できない微妙な違いが存在します。

セレントの最新レポート「世界の銀行業界のIT投資動向」は北米、欧州、アジア太平洋のIT投資動向を地域ごとに分析し、今後の投資の方向性を比較・対照しています。IT投資の拡大に大きく貢献しているのはアジア太平洋地域の銀行で、これらによる2013年の投資額は前年比5.9%増の623億ドル(約5.4兆円)が見込まれています。この勢いは2014年も続き、同年の投資額は665億ドル(約5.8兆円)に達するでしょう。

米国とカナダの銀行も、投資額を拡大する計画を発表しています。北米銀行の2013年の投資額は前年比4.0%の569億円(約4.9兆円)となる見通しです。さらに2014年には伸び率が4.4%に拡大して投資額は594億ドル(約5.1兆円)に達するでしょう。一方、欧州の銀行はなお厳しい状況が続いているため、投資拡大の動きはほとんど見られないでしょう。欧州銀行の2013年の投資額は0.4%増の595億ドル(約5.1兆円)にとどまる見通しです。2015年にかけても横ばいの状態が続き、投資額は0.3%増の599億ドル(約5.2兆円)と予想されます。

「IT投資を先導しているのは北米とアジア太平洋地域の銀行です。堅調な投資拡大の動きが持続しているのは明るい材料といえるでしょう。3つの地域を合わせたIT投資額は2014年には3.6%、2015年は3.4%それぞれ増加するとみられます」とセレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したジェイコブ・イエーガーは述べています。

注)ドルから日本円への換算レートは、2012年12月31日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。