中国の自動車保険業界におけるモバイル機器利用
2014/06/30
ウェンリ・ユアン
Abstract
中国では、保険会社のスタッフによるモバイル端末の利用は、保険金請求に関しては比較的普及しています。モバイル機器は、社員の間でも、顧客の間でも、保険金請求以外ではあまり使用されていませんが、今後数年でその使用は拡大するでしょう。
モバイル機器は、中国の自動車保険業界のさまざまな面で使用されてきました。本レポートでは、自動車保険の販売、サービス、および保険金請求に使用しているモバイルアプリケーションおよびWeChat アカウントを検証します。
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販売:
一部の保険会社はモバイルアプリやWeChatを使用して自動車保険を販売しています。顧客は代理店やブローカーや支店を訪れて申請するよりも時間を節約できて便利であり、保険会社はより多くの人々と効率的にコンタクトすることができます。 -
サービス:
保険会社は、保険契約や保険金請求の問い合わせなどのサービス以外にも、見込み客に対して多くのサービスを提供しています。保険会社は、一般的な自動車および位置特定サービスに関するモバイルアプリケーションを見込み客にダウンロードしてもらったり、WeChat アカウントを使用してもらい、見込み客をクライアントに変えるチャンスを得ています。 -
保険金請求:
自動車保険の保険金請求の現場調査スタッフは、被害査定に携帯電話やタブレットなどの携帯型端末を利用しています。一部の企業は、現場スタッフに携帯型端末を供与するとともに、顧客向けのモバイルアプリケーションを導入しており、中には自動保険金請求機能が含むものもあります。現場スタッフおよび顧客がモバイルアプリを使用することで保険金請求プロセスは効率化しています。
WeChatは、中国のテンセント社が開発し2011年1月にリリースしたたモバイルテキストおよび音声メッセージサービスです。アプリが公開されて以来、ユーザー数は劇的に増加し、2011年5月から2014年3月までのWeChatユーザーの月間平均増加率は13.7%でした。20社を超える保険会社が公式のWeChat アカウントを持っています。
「WeChatのユーザー数は膨大であるため、保険会社はWeChatをマーケティングのツールとして使用しています。また、保険金請求、保険購入、保険契約更新などのサービスを提供する際には、機能が豊富で管理が簡単なモバイルアプリを保険会社は選好しています」と、セレントのアジア金融サービスグループのシニアアナリストで本レポートの共同執筆者であるウェンリ・ユアンは述べています。