決済システムの回復力の確保は不可欠であり、実現可能
2021/06/20
Abstract
銀行、フィンテック、さらにはノンバンク会社でさえも、カード発行パートナーを選ぶ際の選択肢が豊富になっている。APIを介して革新的なカード商品の迅速な設計・発売を可能にしたり、高度で柔軟な承認ルールを提供するといった魅力的なフロントエンド機能は、最新のカード発行プラットフォームにとって今や当たり前の機能となっている。もちろんこれらの機能は重要だが、最近は信頼性、拡張性、回復力といった「バックエンド」に関する要素がこれまで以上に重要になっている。
デジタル技術によって業界の水準が引き上げられたことで、顧客は決済を含むあらゆるサービスを24時間365日利用できると考えており、問題が発生した場合にはすぐにソーシャルメディアを通じて不満を訴えることができる。新型コロナウイルスのパンデミックを受けて、すべての企業の事業継続計画 (BCP) がテストされ、回復力のプロファイルが取締役会レベルに引き上げられた。また、ボリュームや顧客の好みの急激な変化に対応するための弾力性とビジネス能力の重要性も浮彫になった。カード決済では、バリューチェーンの相互接続が進み、カード発行の状況も継続的に変化していることから、信頼性と回復力の問題が深刻になっている。
本レポートの目的は、銀行とフィンテックがパートナー候補に厄介な質問をしたり、決済システムの回復力に対する高い期待に対応できる企業を選択する際に支援することである。金融機関は、以下の項目を実証できるパートナーを探すべきである。
- 信頼性と回復力を念頭にソリューションを設計・構築している。
- サイバー攻撃などの脅威を常に監視し、防御策を講じている。
- サービスの可用性を迅速に回復させ、顧客へのサービスを最新の状態に保つことができる。
決済システムは不可欠な要素であり、システムの信頼性と回復力を確保することは必ずしも不可能ではない。