長年の課題:変額年金をめぐる行動リスクの管理と測定
2011/03/15
Abstract
オリバーワイマンのレポート「長年の課題:変額年金をめぐる行動リスクの管理と測定」は、多額の変額年金ポートフォリオを持つ保険会社が直面している行動リスクの管理をめぐる問題と、保険契約者の行動が今後数年間の収益・資本に及ぼす影響について考察しています。また、保険会社が行動リスクを測定し、管理し、共有するためにどのような投資をすべきか提言しています。レポートは、変額年金を手掛ける大手保険会社を対象に、商品設計、リスク管理、ヘッジ取引などを幅広く調査した結果に基づいています。
これによると、生命保険業界が今後検証すべき行動データは膨大であり、それらが収益および資本に及ぼす影響はかつてないほど大きいとみられます。しかし、多くの保険会社は、これらのデータを分析・共有し、それに対応する体制を構築できていません。
レポートの主な論点は以下の通りです。
- 保険会社の責任準備金および資本への影響額は今後2年間で数十億ドルに上ると予測されますが、この間に据え置き期間が終了する年金原資保証型変額年金は約2,000億ドル(約16.3兆円)あることから、大手保険会社の間で影響額には大きな差が出るとみられます。
- 保険契約者の行動は不透明性が高く、ヘッジ取引をはじめとする標準的なリスク管理機能の多くは最適化されていません。リスクを大幅に軽減できなければ、ヘッジ取引のコストが大幅に膨らむ可能性があります。
- 行動リスクの測定、行動の予測および共有といった機能への投資は不可欠です。こうした投資を通じて、動揺の収まらない多くの外部株主の保険会社に対する信頼を維持する必要があります。
このレポートは16ページで構成されています。
注)ドルから日本円への換算レートは、2011年2月28日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。