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欧州の証券取引所の展望

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2006/06/12

Abstract


欧州の証券取引所が変革の嵐の中にあるこの時点で、セレントの最新レポートは現状を調査し、今後数年間の展開を予測しています。


欧州の証券取引所では、本年第1四半期売買高で前年同期比45%増を示し、その取引の活況によって利益を上げました。利益率は堅調であり、欧州の証券取引所の平均利益率は25%に達しています。

ところが、こうしたまさにバラ色の財務実績にもかかわらず、地平線に潜む欧州連合からの新たな指令、すなわち金融商品市場指令(MiFID)が、欧州資本市場の根本的な変革の到来を告げています。場合によっては、証券取引所が欧州株式取引の中心的存在という特権的役割を奪われる事態に至る可能性もあります。

無数の流動的な要素が、資本市場が今後どのような展開を見せるか明確に突き止めることを、あらゆる面で難しくしています。現在もなお欧州連合内で資本市場は細分化されていますが、統合の動きは加速しており、しばらくはこの流れが続きそうです。本レポートでは、欧州の主要証券取引所と欧州資本市場の再形成につながる統合プロセスについて検証しています。また、取引所のサービスの需要に変化をもたらしているビジネストレンドやテクノロジー上の要因についてもそれぞれ分析し、論点を示しました。さらに、取引所を巡る規制の変更の潜在的影響を考察し、市場データの提供方法がどのように進化しているかという視点も示しています。最後に、欧州市場の決済のしくみについて取上げました。

セレントのCEOで本レポートの共同執筆者でもあるオクタビオ・マレンジは次のように述べています。「MiFIDは、欧州における次世代取引システムを巡る新たなビジネス機会を生み出しますが、既存の取引所に真っ向から挑みかかるのでは、徒労に終りそうです。むしろ新規参入組は、ブロックトレーディング、クロス取引、価格改善サービスといった特定のニッチ市場を押えるべきでしょう。」

本レポートは22図を含む全34ページで構成されています。