2022年 アジア太平洋地域におけるリテールバンキングのIT戦略: デジタル融資、従業員能力向上、身元確認が最重要課題
2022/06/30
Key research questions
- アジア太平洋地域のリテールバンキングにおいてテクノロジー投資を促す最も重要な要素は何か?
- リテールバンキング業界にて商品レベルでの投資の優先事項は何か?
- 2022年のイノベーションを形作る上でIDテクノロジーとオープンバンキングが果たす役割は何か?
Abstract
パンデミックの影響が後退し始めた今、アジア太平洋地域の銀行は再び成長を目指す取り組みに専念し始めている。今後は政治的課題とマクロ経済的課題の両方が待ち受けているが、2022年の課題のトップはイノベーションであり、この変化の大部分を支えるのはテクノロジー投資であろう。
業界では「ニューノーマル」が話題になっているが、セレントはこの意味を正確に理解するため、2021年末にバンキングIT戦略調査 (CBISS) を開始した。200行近いリテールバンクと綿密な意見交換を行った結果、リテールバンキング業界のテクノロジー戦略と投資の優先事項に関する詳細なインサイトが得られた。ひとつはっきりしたことは、近いうちにテクノロジー関連支出が減少する兆候はないということだ。アジア太平洋地域の金融機関は2022年のIT予算を大幅に拡大していると報告しており、これらの予算は業務の改善に加え、商品およびユーザーエクスペリエンスのさまざまな強化に適用されている。
本レポートでは、アジア太平洋地域の銀行の投資見通しと重要な戦略的課題について詳述している。
主な調査結果:
- 銀行の74%が、フィンテックやチャレンジャーバンクによる脅威は1年前よりも大きいとの考え
- 58%が2022年の優先事項としてID関連の取り組みに投資
- 銀行の50%がデジタル融資体験に投資しており、まさに最大の商品優先事項
- 82%が今年はより多くのワークロードがパブリッククラウドインフラに移行すると予想
- 82%が自組織にはオープンエコシステムと連携するための明確な戦略があると報告
リテールバンキング業界への教訓は明白である。2022年アジア太平洋地域の銀行の戦略的最優先事項は商品の強化とイノベーションである。投資をしなければ市場から取り残される可能性がある。