バーティカル・エンタープライズ・アプリケーションのベンダー選定手法
Abstract
金融機関によるベンダー選定プロセスが不十分であると、目標の早期達成を阻害する要因になりかねません。セレントは、こうしたプロセスを改善するためのガイドラインを提示します。
ほとんどの金融機関がベンダーの提供するバーティカル・エンタープライズ・アプリケーション(プライシングエンジン、銀行勘定系システム、注文管理システム、保険契約管理システムなど)に依存しているにもかかわらず、そのベンダーソリューションの選定方法は依然として有効性・効率性に欠けています。システムのリプレースあるいは追加のプロセスは、元来困難を伴いますが、プロセスを巡る危惧、不透明性、不信感によってさらに負荷が増大しています。また、膨大且つ複雑な文書化作業がプロセス促進にはむしろ逆効果であることは言うまでもありません。セレントの最新レポート「バーティカル・エンタープライズ・アプリケーションのベンダー選定手法」は、金融機関によるベンダー選定プロセスの再構築のサポートを意図しています。
「多くの金融機関のベンダー選定プロセスは不十分なレベルです」と語るのはセレント保険プラクティスのマネジャーで本レポートの執筆者であるマシュー・ジョセフォウィッツです。「あまりにも多くのケースで、本質的に同程度の製品やサービスを持つベンダー間の選択の場合と、同じような購入意思決定がなされています。デスクトップの購入やインターネット・サービス・プロバイダーを決める際のようにということです。しかし、バーティカル・エンタープライズ・アプリケーションの選定は、金融機関が行うどの商品購入意思決定よりも複雑で特異なものです。その方向性を誤れば、最良の意思決定に必要な情報を提供できないような非効率的なプロセスをいたずらに構築しかねません。」
セレントは、金融機関がベンダー選定方法を見直し、以下のプロセスを導入するように提言します。
1.完全な提案依頼書(RFP)ではなく簡単な情報提供依頼書(RFI)を使い、ベンダー候補の中から「Deal Killer(取引を全うしない業者)」を見極める。
2.直接のミーティングや製品デモを通じて、有望なベンダー候補をより詳しく評価する。
3.ベンダー候補とのミーティングや製品デモから受けた印象を実証するために追加ミーティングを行う。
4.詳細なRFPを、具体的な要求を満たせると判断した最有力候補2~3社のみに提示する。
5.詳細なRFPに対する回答と前段階で収集した全ての情報に基づいて、ベンダーを選定する。
本レポートは、セレント独自のベンダー選定方法と主要金融機関のCIOへの取材で得た情報をもとにしています。
レポートは全19ページから構成されています。