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リスク管理の未来像 パート1:リスクとリターンに関するスマートな意思決定の実現【抄訳版】

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2015/07/26

Abstract

(このレポートは2015年7月28日に" Back to the Future in Risk Management: Realizing the Promise of True Risk/Reward Decisions" というタイトルで英文で発表されましたが、抄訳版を2015年12月10日に発行しました。)
※ダウンロード: レポート(日本語)=抄訳版PDF、(英語)=原文レポートPDF

リスク管理とこれに伴うコンプライアンス関連支出は全世界で500億ドルを超えています。リスクおよび資金管理業務の一体化を通じてリスクとリターンに関する最適な意思決定を行う、スマートなアプローチが必要です。

KEY RESEARCH QUESTIONS
1 リスクおよび資金管理を一体化した規制の比重が高まるなか、現在の取り組みはこれに持ちこたえられるか?

2

リスクおよび財務データのシステムアーキテクチャの統一にはビジネス上のメリットがあるか?
3

成功に向けた戦略として何が重要か?

市場、構造および規制からの圧力により、金融業界は持続可能なビジネスモデルの追求を促されています。金融危機以降、業界は大幅な進歩を遂げましたが、なおやるべきことは山積しています。金融危機後の規制改革を受け、リスク管理とこれに伴うコンプライアンス関連支出は2015年に全世界で500億ドルを超えるとみられ、ティア1銀行の平均支出額は5億ドルを超えています。会計規則、資本規制、当局によるストレステストは対象範囲と詳細さが増しており、規制当局は金融機関に厳格なデータ管理慣行と基準を示すよう求めています。

本レポートは、リスクおよび資金管理機能の一体化の実現に向けたトレンド、緊急の課題、実行戦略について検証しています。

金融機関が中長期的に効果的かつ効率的に業務を続けていくためには、「その場しのぎの対策」ではまずいとの認識が広がりつつあります。

「これ以上は無理という限界を超えさせないようにするためには、今こそリスクと資金管理の一体化を進めるためのビジネスケースを再検討すべきでしょう。既に、リスク管理、資金管理、財務機能の連携強化を取り組んでいる金融機関も増えつつありますが、問題解決に向けた戦略的な取り組みを強化していない金融機関の方が多いのが現状です」とセレント証券プラクティスのリサーチディレクターでレポートを執筆したキュビラス・ディンは述べています。

レポートでは、金融機関がビジネスケースを明確化するとともに、規制強化に伴う矛盾するニーズ、社内のコスト削減圧力、目標とするリスク/資金管理業務に移行する過程で生じる要件のバランスをとるために必要なプロジェクト変更を実行できるよう、より統合的で、よりスマートな手法を採用することを提言しています。