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資金サプライチェーンの電子化は ビジネス機会 第1部: 銀行は主導的役割を果たせるか

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2004/01/27

Abstract


ビジネスにおける資金サプライチェーンの電子化を進めるためには、銀行が主導的な役割を果たすことが求められます。それができなければ、銀行は高収益な情報関連ビジネスをノンバンクに奪われ、もっぱら低収益な決済業務を請負うだけになりかねないでしょう。

セレントの最新レポートは、商品発注から支払い決済、照合に至る資金のサプライチェーンの中で、銀行がその役割を拡充していくことが可能なビジネス機会について検証しています。銀行が従来強い地歩を築いてきた業務領域では、伝統的なペーパーベースの決済サービスに代わって電子決済サービスでの利益拡大が期待されています。しかし、最も高収益が見込まれるビジネスは、従来型の銀行業務ではなくむしろシステム統合や情報関連サービスの分野といえるでしょう。銀行のシステムを顧客のERPシステムや会計システムと統合することで、従来手作業で行なっていた膨大な業務を一気に電子的に処理することが可能となり、大きな付加価値を生み出すことができるとみられます。

セレントの銀行グループのマネージャーで本レポートの著者であるアレンカ・グリリッシュは次のように述べています。「この分野は今のところ広大な新規参入余地があるとはいえ、この状態は長くは続かないでしょう。 10年後には市場も成熟し、ほとんどの企業が電子請求書や電子決済を利用すると考えられます。銀行が長期的な優位性を確立するためには迅速な行動をとる必要があります。いち早く始動すればその実績をもとに有利な立場を維持できる可能性が高いからです。現在のところ、資金決済サービスを行なうトップ20行のうち半数近くは出遅れ気味であり、このままでは敗者に甘んじる可能性が高いといえます。」

レポートでは、模範的な取り組みを進める5行(バンクワン、JPモルガンチェース、メロン、USバンク、ウェルス・ファーゴ)の実例を紹介しています。