タカフルに対応可能な保険契約管理システム:世界のソリューション市場の現状
Abstract
世界のタカフル(イスラム式保険)市場は今後 10年間で急成長が見込まれており、市場プレイヤーの関心は効率的な業務モデルの構築に移りつつあります。こうしたニーズに合わせるため、タカフルのコア システムに最新の保険契約管理システムが持つ柔軟なアーキテクチャが採用されるケースが増えています。
タカフルは従来、主に地方の小規模業者が手がけるニッチ商品でしたが、ここにきて高度な商品差別化および販売能力を持つ多国籍金融機関による販売が急速に 広がっています。タカフルの世界市場は2015年には73億9,000万ドル(約8,080億円)に拡大するとみられ、中でも中東と東南アジアは最大の伸 びを記録するでしょう。セレントの最新レポート「タカフルに対応可能な保険契約管理システム:世界のソリューション市場の動向」はタカフル市場の世界展開をめぐる課題を検証し、現在入手可能なコアシステムの詳細を紹介しています。
イスラム式保険商品が成熟化するにつれ、この分野への参入を目指す保険会社やそのパートナーとなるソリューションプロバイダーは新たな疑問に直面しています。具体的には、最善の業務モデルはどのようなものか、保険契約者の剰余金をどの ように計算するか、イスラム金融商品をめぐる規制や標準化の進行がどのような結果をもたらすか―といった内容です。
保険会社がこうした疑問を解決する過程では、テクノロジーが業務促進に向けた重要な役割を果たすとみられます。「業務モデルを設定した後も、常に変化する 市場環境に合わせてタカフルの規則を継続的に調和させる必要が生じ、コアソリューションには負担となるでしょう。こうした問題を解決するため、保険会社は 極めて柔軟性の高いソリューションを採用する必要があります」とセレント保険プラクティスのシニアアナリストでレポートの共同執筆者であるキャサリン・スタッグ・マーシーは指摘しています。
本レポートは、保険会社がタカフル関連のコアシステム を評価するために必要な情報を包括的に提供するものです。レポートはこうしたコアシステムへの重要な投資基準を示すとともに、この分野のベンダーソリュー ションについて最も詳しく紹介した資料の1つと言えるでしょう。ベンダー紹介では会社概要、サービス対象地域、顧客基盤、商品特性、サポートするタカフル の種類、テクノロジー・スタック、ワカラー(代理人)/ムダーラバ(預金・投信)へのサポート、言語能力について情報を提供しています。レポートで取り上 げたベンダー14社が主なサービス対象としている地域は中東諸国、マレーシア、アフリカ諸国、英国です。また、レポートには各ベンダーのワカラーまたはム ダーラバに対応する商品サポートや顧客基盤を簡単に比較した図表も掲載しています。
本レポートは6図と39表を含む全46ページで構成されています。
注)ドルから日本円への換算レートは、2008年8月29日の仲値(三菱東京UFJ銀行公表による)を参照。