Abstract
ロボティックプロセスオートメーション(RPA)は世界のあらゆる業界で強固な足場を築いており、保険業界でも今後数年にわたって適用が拡大し続けると予測されている。保険会社がRPAを使用するようになったのは、それほど前のことではなく、主に複雑ではない作業に使用している。背景には、多くの保険会社がRPAを使い始めたばかりであること、学習してプラットフォームに適応させながら自動化するという最も単純なタスクに焦点を当てていることなど、いくつかの要因がある。また、RPAプラットフォームプロバイダーがコグニティブ機能をそれぞれのプラットフォームに統合するという方針に転換したことも要因の1つである。保険会社はRPAを導入した初期の段階で、保険契約管理、保険料請求、保険金請求処理といった多くの事業機能の効率化など、多くのメリットを享受した。自動化を適用する範囲にもよるが、導入当初は生産性の劇的な向上や人時の大幅な削減という効果が見られることも珍しくなかった。
保険会社はまずRPAを導入し、プロセス自動化の「容易に達成できる目標」に取り組んできたが、これが達成された今、「次は何をすべきか?」という声が多く上がっている。その答えは「山ほどある!」。RPAプラットフォーム/ サービスプロバイダーは、RPAに人工知能(AI)を統合して機能拡大を図り、クラウド上に「サービスとしてのRPA(RPAaas:RPA-as-a-Service)」の機能を構築することに重点を置いている。
本レポートの作成にあたり、セレントはRPAのプラットフォームやサービスを提供するベンダーを対象に、AIとの統合やプロセスインテリジェンスツールなど、RPAツールキットにおける他の高度な分野に焦点を当てて、RPAがどのように進化しているかについて調査を行った。その結果、ほぼすべてのRPAプラットフォーム/ サービスプロバイダーの戦略において、AIが必要不可欠な戦略的要素となっていることがわかった。