2014年 リスク管理におけるバリューチェーン:トレンド、弱点、変化
Abstract
リスクおよび規制の最適化に向けたポイントベースの取り組みは、単発のプロジェクトに終わることなく継続していく必要があるでしょう。それには、エコシステム全体の業務の組織的な最敵化を日常的に行う段階へと移行することが不可欠です。
セレントの最新レポート「2014年 リスク管理におけるバリューチェーン: トレンド、弱点、変化」はリスクおよび規制関連プロジェクトの現状と進行中プロジェクトの弱点について調査し、今後に向けた指針を示しています。
金融業界は新たな市場環境がコストに及ぼす影響や複雑性を軽減するプロジェクトを打ち出していますが、その試みはいまだ道半ばといえるでしょう。規制要件をできる限り統一、調和、標準化しようとする努力にもかかわらず、当面は規制の細分化が新たな環境の特徴になるとみられます。
金融機関は、収益性および費用方程式の決定要因をより良く理解し、把握していく必要があるでしょう。そして現行の取り組みに加え、戦略上および業務上の方策を強化して、構造的変化がもたらす腐食作用を軽減することに注力すべきでしょう。ただし、 金融業界の機会と脅威はリスク業務およびシステムインフラと密接に結びついています。企業カルチャー、業務およびシステムの変化を促すための戦略的投資は、こうした取り組みの成否を左右するカギとなるでしょう。
「金融機関が巧く対応すれば将来の見通しは開けるでしょうが、結束してプロジェクトを実行できなければ致命傷を負いかねません。将来的には、さらに難しい選択を迫られ、対応も難しくなるとみられます」と、セレント証券グループのリサーチディレクターでレポートを執筆したキュビラス・ディンは述べています。
レポートでは、金融機関によるリスクおよび規制関連プロジェクトの進捗状況を評価し、最新の見通し、トレンド、さらには金融機関が重視すべき変化の可能性を明らかにしています。また、金融機関が長期的に実践すべき5つの行動手段を示し、新たなビジネスチャンスを追い求めるトップ金融機関の事例を検証しています。