中南米の保険会社におけるイノベーションの進捗状況
Abstract
イノベーションによる問題解決が求められるビジネス上の課題として、コモディティ化の加速、迅速な商品化の必要性、販売チャネルの増加、消費者の期待の高まりが挙げられますが、これはごく一部にすぎません。では保険会社の経営幹部は、ビジネスおよびテクノロジー上の大きな変化をどう特定し、どう対応していけばよいのでしょうか。ビジネスおよびIT計画において何が本当に効き、改善によるビジネスチャンスはどこにあるのでしょうか。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | 中南米の保険会社にとって、イノベーションは重要か? |
2 |
中南米の保険会社におけるイノベーションはどの程度進んでいるか? |
3 | 中南米の保険会社は何がイノベーションの阻害要因であると認識しているか? |
セレントは過去3年にわたり、保険会社の保険業務のイノベーション実現への取り組みについて調査してきました。本レポートは、2015年7~8月に中南米の保険会社37社を対象に行った調査の結果をまとめたものです。
今回の調査の目的は以下のとおりです。
- ビジネス戦略におけるイノベーションの重要性を把握する。
- 保険プロセスにおけるイノベーションによって得られるメリットは何であるかを特定する。
- イノベーションの導入を阻む共通の要因を明らかにする。
「イノベーションへの関心と共に消費者の期待は高まっています。そして、テクノロジーの進化がリスク管理強化のチャンスをもたらしています。イノベーションを通じて差別化したサービス・商品を提供し、保険会社はこうした機運を生かすことができるでしょう」とセレント保険プラクティスのシニアアナリストでレポートを共同執筆した マイク・フィッツジェラルド は述べています。
「保険会社がイノベーションを実践するためには、様々な障害を乗り越えなければなりません。それらを克服するためには、イノベーションを断行する現実的かつで強力な権限を確立する必要があり、経営トップの姿勢が問われることになるでしょう」とアナリストでレポートの共著者であるルイス・チパナ は指摘しています。
「3年前、保険会社は何ができるか、どのイノベーションを追及すべきか、どのテクノロジーを優先すべきか、といった点に焦点がありました。組織内でイノベーションがある程度浸透するにつれ、現在は、どのようにイノベーションを進めるべきかをまず問題にすべきだという認識が広まっています」とシニアアナリストでもう1人の共著者であるホアン・マツィーニは述べています。