PAYMENTS NETWORK MALAYSIA:次世代のリアルタイム決済を実現
セレント・モデルバンク・アワード2021 金融インフラ部門 受賞企業
Abstract
セレントがモデルバンク・アワードに金融インフラを選出することはめったにない。本来モデルバンク・アワードは、銀行内のテクノロジー・プロジェクトの結果として他の銀行と差別化が図られた場合に授与されるものである。Payments Network Malaysia(PayNet)は銀行ではなく、差別化もしていない。しかし、同社はすべての人に均等な機会を提供している。
PayNetの銀行との類似点および同社がモデルバンク・アワードに選出された理由は、すべての人のために構築すべき「もの」のために、将来も使い続けられる基盤を構築しているということである。エコシステムの系統的な拡張と、プラットフォームの進化を保証するシンプルな方法でリーチを確保することにより、銀行はその活用方法と、将来的に顧客により良いサービスを提供する方法に注力することができる。
同社のプロジェクトは、他にも多くの点で際立っている。例えば、ベンダーを選定してから同国の銀行の大半と取引を開始するまでの期間はわずか18カ月で、世界的にも異例の速さであった。このサービスの急速な普及には目覚ましいものがあり、1カ月当たりの取り扱い件数は2024年までに約3.5~4億件に達するペースで拡大している。更にサービスの幅、深さ、範囲は、すでに販売されているか、あるいは販売予定のサービスに引けを取らない。セレントが度々指摘しているように、現在のリアルタイム決済システムはゴールではなく、まだスタート地点にいると考えるべきである。ほんの10年前のシステムでさえ、急速な変化を経験し、今では基本的なシステムとみなされている。多くの国は、ネットワークサービスが開始された後も、使用方法の実行可能なユースケースについてセレントと議論を続けているが、マレーシアはこうした議論のはるか先を行っている。
従って、同社のシステムは、セレントがこれまで見てきた中で最も将来性があり、包括的で柔軟なリアルタイム決済システムの1つと言える。PayNetの目標がすべての国に当てはまるわけではないが、このシステムにはどのリアルタイム決済システムにおいても参考になる多くの側面がある。